Enterprise Watch
最新ニュース

ネットアップが中堅企業向けエントリーストレージをリニューアル、最大容量は69TB


FAS2000シリーズのうち、FAS2050

ネットアップのマーケティング部 阿部恵史部長
 日本ネットワーク・アプライアンス株式会社(ネットアップ)は9月7日、ストレージアレイ「NetApp FASシステム」のラインアップに、中堅企業向けのエントリーモデル「FAS2000シリーズ」を追加すると発表した。「FAS2020」と「FAS2050」の2製品が用意される。

 FAS2000シリーズは、従来の「FAS200シリーズ」に代わるエントリークラスのストレージアレイで、中堅企業での利用にフォーカスした製品。これまでネットアップの製品ラインアップでは、FAS200シリーズとミッドレンジ向け「FAS3000シリーズ」の間に、容量、価格、拡張性といった面でギャップが存在したが、FAS2050によってその隙間を埋めることが可能になるという。またFAS2020では、FAS200シリーズがカバーしてきたエリアを受け継ぎ、同等以下の価格で、これまでよりも高い性能や拡張性を提供できるのこと。

 最大容量はFAS2020が24.6TB、FAS2050が69TBと、従来製品の最大4倍もの大容量化を実現。HDDにはSAS(Serial Attached SCSI) HDDをネットアップとして初めて採用している。ソフトウェア面では、同社のエンタープライズ向けストレージにまで一貫して採用されているOS「Data ONTAP」を使用する点が特徴。「これによって、ハイエンドクラスと同じ信頼性、拡張性、管理性を提供できる」(ネットアップのマーケティング部 阿部恵史部長)だけでなく、上位から下位までが1つのアーキテクチャに統一されているため、製品アップグレードの際にも、ソフトの互換性確保やトレーニングのやり直しといったことを気にする必要がない。

 機能面でも、スナップショット、シンプロビジョニング、ディデュプリケーション(重複排除)、ダブルパリティを確保するRAID-DP(RAID 6)といった、上位製品と共通する機能が利用できる。米NetApp ネットワーク・ストレージ事業部門 シニアバイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーのリチャード・クリフトン氏は、競合製品とFAS2000シリーズを比べて、「ハードウェアのスペックは似ているが、データを扱えるレベル、データ保護などはまったく違う」と述べ、その優位性を強調した。


米NetApp ネットワーク・ストレージ事業部門 シニアバイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーのリチャード・クリフトン氏
 加えて、ネットアップ製品の特徴の1つである、アップグレード時の既存資産活用という点も継承している。FAS200シリーズのユーザーは、FAS2000シリーズのシステムコントローラを導入すれば、既存製品をストレージシェルフとしてそのまま利用可能。これによって、最小限の費用で性能や拡張性を向上させられる。これは、FAS2000シリーズからさらに上位製品へのアップグレードを行う際も同様で、こうした一貫性についてクリフトン氏は「他社製品ではエントリー製品とミッドレンジ製品との間に境目があるが、当社ではシームレスな製品ラインを持ち、容易にプラットフォームを管理できる」とアピールした。

 製品展開においては、「まだまだDASの多いWindows環境を意識する」(阿部部長)という。Windowsに限らず、x86サーバー系ではその置き換えに伴い、仮想化によるサーバー統合の動きも加速しているが、ストレージがDASのままでは、仮想化による柔軟性のメリットを十分に生かし切れない。そこでネットアップでは、そうした顧客に対して、NAS/SAN両プロトコルに対応可能なFASシリーズの訴求を図りたい考え。仮想化ベンダでは、従来より密接な関係を築いてきたVMwareとの関係をさらに強化しており、今後も積極的に仮想化ソリューションに取り組んでいく考えを示している。

 最小構成時の参考価格は、FAS2020が1.8TBで347万7000円(税別)、FAS2050が1.7TBで427万5000円(同)。



URL
  日本ネットワーク・アプライアンス株式会社
  http://www-jp.netapp.com/


( 石井 一志 )
2007/09/07 14:37

Enterprise Watch ホームページ
Copyright (c) 2007 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.