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日本IBM、ストレージを一体化した中小向け統合型シャーシ「BladeCenter S」


BladeCenter S
 日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)は10月22日、ストレージ一体型のブレード向けシャーシ「BladeCenter S」を発表した。最小構成価格は40万9500円からで、12月18日より出荷を開始する。

 BladeCenter Sは、中小オフィス向けの7Uラックマウント型シャーシ。従来製品よりも手ごろな価格で、統合的にブレード製品を導入したいというニーズに応え、ブレードサーバーのほか、HDDやネットワークモジュールなどの周辺機器も1台に搭載できるようにしたのが特長だ。

 1台に最大6枚のブレードサーバー、最大4個のスイッチモジュール、最大12台のHDDを内蔵することが可能。HDDは、300GB SAS HDDおよび750GB SATA HDDに対応し、750GB×12で最大9TBまで拡張することができる。RAID 0/1/10に対応する。


BladeCenterシャーシ製品ラインアップ BladeCenter Sの前面 BladeCenter Sの背面

システム&テクノロジー・エバンジェリストの佐々木言氏
 そのほか、社内にサーバールームなどを設置できないユーザーのニーズに応え、一般的な100V電源に対応したのも特長。100V電源が利用できることで、「シンプルな構成を可能にし、ケーブル量を従来より8割削減できるほか、上位シャーシのBladeCenter Eよりも断然静かな63dbの静音性と、消費電力が最大でも3500Wという省エネ性を実現している」(システム&テクノロジー・エバンジェリストの佐々木言氏)。

 また、複数のブレードサーバーにHDDを割り当てる「SASゾーニング」」も容易で、「ブレードサーバー、HDDの数や用途に応じて最適化された、ゾーニングテンプレートを当社で用意した。ブレードサーバーとHDDの構成を柔軟に組める点が、中小オフィスをターゲットとした場合の訴求ポイントだ。併せて、ゾーン設定をグラフィカルに表示する管理GUIも用意されているため、導入後すぐに使えるようになるとともに、実に簡単なリソース管理が可能」(同氏)とのこと。

 なお、管理モジュールなどをはじめとした基本性能は従来製品からそのまま継承しているので、すでにBladeCenterシリーズ製品を利用している場合は、統合管理が行える。ブレード製品も今回のBladeCenter Sを含め、全シャーシで共通化されているので、既存資産を有効に利用することが可能。最新のクアッドコア対応サーバーブレードやワークステーションブレードにも対応している。


SASゾーニングの構成図。ブレードサーバー内のSAS拡張カードから、SASコネクティビティ・モジュールを介して、HDDに接続される ゾーニングテンプレート例

オフィス・レディー・キット
 今回の発表会では併せて、BladeCenter S専用小型ラック「オフィス・レディー・キット」の開発意向も表明された。同キットには、BladeCenter Sを1台搭載でき、システムへの埃の侵入を防ぐエアフィルタや、システムノイズを通常会話レベルの60dbまで低減する静音装置などを備えている。また空きスペースに外付けの無停電電源装置(UPS)や、ストレージライブラリを格納することもできる。価格や販売時期などは未定とのこと。



URL
  日本アイ・ビー・エム株式会社
  http://www.ibm.com/jp/
  プレスリリース
  http://www-06.ibm.com/jp/press/20071022002.html

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( 川島 弘之 )
2007/10/22 19:22

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