|
アドバンスド・システムズ・グループ本部長兼米Dell コーポレートディレクターの町田栄作氏
|
デル株式会社は11月15日、x64系サーバー「PowerEdgeシリーズ」のラインアップを一新し、最新プロセッサによる性能強化と、最新管理ソフトによる管理効率の向上を図った、サーバー新6製品を同日より販売すると発表した。
新ラインアップとして今回投入されたのは、「PowerEdge R900」「同 2950III」「同 2900III」「同 1950III」「同 R200」「同 T105」の6製品。今回から同シリーズのモデル名称が変更されており、新しい名称では、最初の英字でフォームファクタ(T:タワー、R:ラック、M:ブレード)を、先頭の数字でソケット数やパフォーマンスに基づく製品ポジション(大きいほどハイエンドとなる)を、2番目/3番目の数字で製品の世代/プロセッサの種類を表現している。今後はこの名称に統一することで、ラインアップの複雑性を解消していく意向だ。
■ パフォーマンスを重視した4Uラック型のR900
|
PowerEdge R900
|
R900は、4ソケットのハイエンド向け4Uラック型サーバー。パフォーマンスを追求しラインアップ中最高の性能を持つという同製品では、クアッドコアのXeon 7300番台を搭載。データベースやエンタープライズサーバーから、ミッションクリティカルな用途にまで最適なモデルに仕上がっている。拡張性としては、PCI-Express×8スロット、32枚のDIMMソケットを搭載しており、メモリは最大128GBまで対応する。価格は118万8075円から(Xeon E7220搭載時)。
■ 2ソケットモデルの2950III/2900III/1950III-電源効率を高める工夫
いずれも2ソケットタイプでミッドレンジ向けとなる2950III/2900III/1950IIIでは、クアッドコアのXeon 5400番台に対応しパフォーマンスを向上したほか、電源効率やセキュリティが大きく引き上げられた。2950IIIは、最大8基のHDDを内蔵できる2Uラック型サーバーで、メモリは最大48GBまで対応。2900IIIは、拡張性の高いタワー型サーバーで、メモリは最大48GBまで対応。1950IIIは、省スペース性を実現した高密度の1Uラック型サーバーで、メモリは最大32GBまで対応する。
同3製品ではまた、基本設計を見直し電源装置や各パーツの部品点数が減らすことで、消費電力の低減を実現している。具体的には電源ユニットを変更し、変換効率を引き上げる工夫が凝らしてある。価格は、2950IIIが35万1750円から(Xeon 5100搭載時)、2900IIIが29万6100円から(同)、1950IIIが25万7912円から(同)。
|
|
|
PowerEdge 2950III
|
PowerEdge 2900III
|
PowerEdge 1950III
|
■ 価格を重視した1Uラック型のR200
|
PowerEdge R200
|
R200は、1ソケットタイプの1Uラック型エントリーサーバー。コンパクトな筐体に高い実装密度と省エネ性を実現し、クアッドコアのXeon 3200番台からCore 2 Duo/Pentium D/Celeron 400番台まで、用途に応じた多彩な選択肢を用意している。その上で、コストパフォーマンスを重視しており、9万円台からの低価格を実現している。なお、Xeon 3210搭載時の価格は19万3515円から。
以上、インテル製CPU搭載の5製品では、最新の管理ソフト「OpenManage 5.3」を標準搭載しており、サーバー単体およびグループ単位での電源監視機能をはじめとした詳細な管理が可能だ。VMware ESX Serverの監視およびアラート発信機能も備え、仮想化環境を強力にバックアップしてくれる。また同ソフト自体においても、管理コンソール画面数を3分の1に減らすなど、操作性や保守性を高める変更が行われている。
■ エントリークラスで初のAMDプロセッサ搭載モデル T105
|
PowerEdge T105
|
最後のT105は、デュアルコアのAMD Opteronプロセッサを採用したタワー型エントリーサーバー。小規模オフィスや分散環境などに最適化された同製品では、筐体を従来のPowerEdge SC440と比べて26%の軽量化を実現。さらにフル稼働でも気にならないという高い静音性により、オフィスのデスク脇への設置を可能にしている。最大で8GBメモリ、1.5TB HDDなどを実装可能。価格は、7万875円から(Opteron 1210搭載時)。
なお6製品すべてにおいて、TPM1.2セキュリティチップを搭載しセキュリティを向上したほか、新しいPERC 6i RAIDコントローラによりRAID 6にも対応した。
なお、米Dellにおいては10月29日に会長兼CEOのマイケル・デル氏が来日し、同社のグローバル新戦略「Simplify IT(ITのシンプル化)」を説明しているが、今回の発表会に登壇したアドバンスド・システムズ・グループ本部長兼米Dell コーポレートディレクターの町田栄作氏が「新製品は、この戦略を具体的に実現するためのものとして位置づけられている」と付け加えた。
「パフォーマンス・電力効率の向上、導入・管理・所有の負荷を下げる管理ツールの充実のほか、出荷前のカスタマイズなど各種サポートサービスを提供することで、Simplify ITを加速させていく」とする町田氏。そのためには各社との協業も欠かせないとし、インテル、日本オラクル、日本AMD、マイクロソフトとの提携の歴史や内容を紹介した。それを受けて各社の担当者が登壇し、デルの新製品発表に祝辞を述べるとともに、今後の協業に関する方針や意気込みをそれぞれ語って、今回の新製品への注目度を示した。
|
|
インテル、技術本部長の及川芳雄氏。「デルとはこれまでさまざまな協業を行ってきた。Simplify ITでも多角的な協業を行っていきたい」
|
日本オラクル、アライアンス営業統括本部 グローバルアライアンス営業本部 グローバルアライアンス営業部 ディレクターの島田淳氏。「デルの新製品とOracle Database 11gでともにワンストップサービスを提供していく」
|
|
|
日本AMD、取締役 マーケティング本部長の吉沢俊介氏。「デルとの協業をより強めることで、一緒に差別化した製品を提供し続ける」
|
マイクロソフト、エンタープライズパートナービジネス本部長 業務執行役員の小山明氏。「People Ready BusinessとSimplify ITの融合で、ITを使って業務をいかに効率化するかということにチャレンジしたい」
|
■ URL
デル株式会社
http://www.dell.com/jp/
インテル株式会社
http://www.intel.co.jp/
日本オラクル株式会社
http://www.oracle.co.jp/
日本AMD株式会社
http://www.amd.com/jp-ja/
マイクロソフト株式会社
http://www.microsoft.com/japan/
プレスリリース
http://www1.jp.dell.com/content/topics/segtopic.aspx/pressoffice/2007/071115b?c=jp&l=ja&s=corp
http://www1.jp.dell.com/content/topics/segtopic.aspx/pressoffice/2007/071115a?c=jp&l=ja&s=corp
■ 関連記事
・ 米Dellデル会長が来日、「ITのシンプル化で既存リソースの解放を」(2007/10/29)
( 川島 弘之 )
2007/11/15 18:28
|