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Symmetrix DMXの新機能
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米EMC Symmetrixプロダクト・グループ担当上席副社長兼ジェネラルマネージャのブライアン・ギャラガ氏
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EMCジャパン株式会社は2月13日、同社のエンタープライズストレージ「EMC Symmetrix DMX-4」向けフラッシュドライブを3月31日から国内で販売開始すると発表した。あわせて、1TB SATA HDDおよびOSに関連する各種拡張機能も提供開始する。
EMC Symmetrix DMX-4は、2007年8月から販売している製品で、今回、エンタープライズストレージとしては業界で初めてフラッシュメモリを利用した高速メモリドライブであるSSD(Solid State Disk)を導入し、73GBと146GBの2種のフラッシュドライブをラインアップする。同製品は、EMCジャパンの厳しい仕様に基づいた専用ドライブで、SLCフラッシュドライブテクノロジーと高機能なコントローラを組み合わせて使用することで、きわめて高速な読み取り/書き込みパフォーマンス、高い信頼性、データ整合性を実現する。
このフラッシュドライブをEMC Symmetrix DMX-4に搭載することにより、従来の15000rpmのFC(ファイバチャネル) HDDを使用した場合に比べて最大10倍高速な、ミリ秒レベルのアプリケーション応答時間が可能となり、大幅な応答時間の短縮を実現。特に、ミッションクリティカルなアプリケーションにおいて優れたパフォーマンスを発揮し、為替/電子商取引システムを始め、リアルタイムのデータ入力処理やメインフレームトランザクション処理など、大量の情報を迅速に処理する必要のあるアプリケーション環境を持つ顧客を強力に支援する。
また、SSDには駆動部がないため、消費電力を抑えられるのも特徴で、ストレージアレイにおいて、従来のHDDに比べ38%少ない電力で1TBのデータを保存することが可能。SSD1台と同等のパフォーマンスを確保するためには、15000rpmのFC HDDが30台必要となり、1秒あたりのトランザクションを比較した場合、98%の大幅な消費電力削減を図ることができるという。
フラッシュドライブの導入について、米EMC Symmetrixプロダクト・グループ担当上席副社長兼ジェネラルマネージャのブライアン・ギャラガ氏は、「現在、エンタープライズストレージでフラッシュドライブをサポートできるのは当社が唯一であり、EMC独自のフラッシュドライブテクノロジーによって高レベルのパフォーマンスを実現している。このシステムは、低レイテンシ、高トランザクションのワークロード環境への対応に最適で、フラッシュドライブはエンタープライズストレージの今後のメインストリームになってくると予想される」と述べている。
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1TB SATA HDDを利用することによって、電力効率の向上が図れるという
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より迅速なストレージプロビジョニングとデバイス設定が可能になる
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EMCジャパン マーケティング統括本部 プロダクト・マーケティング部の中野逸子部長
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フラッシュドライブの発表にあわせて、ハイパフォーマンスなストレージ環境で、フラッシュドライブテクノロジーのメリットと価値を最大限に活用できるよう、最新の1TB SATA HDDおよび「EMC 仮想プロビジョニング」、「SRDF/カスケード」、「IPv6/IPsecサポート」といった各種拡張機能も提供開始する。
1TB SATA HDDを利用することによって、電力効率の向上とともに、新たなレベルのストレージ密度に対応可能となり、フラッシュドライブ、FC HDDを含めたシステム全体で、高容量、電源効率向上、設置面積の削減を実現できるようになる。
EMC 仮想プロビジョニングは、特定のアプリケーション要件に基づき、ストレージアレイ内のストレージ階層全体にわたってストレージ容量の割り当てプロセスを効率化および迅速化することができる機能で、SSDを使用した「階層ゼロ」の高パフォーマンスなども含まれる。これによって、物理的な割り当て以上の容量をアプリケーションに提供可能となり、必要に応じた一時的な容量割り当てや管理の柔軟性強化を実現するとともに、システム全体の使用率と電源効率の向上を図ることができる。
SRDF/カスケード機能では、「SRDF」の同期ミラーリング/非同期ミラーリング機能を使用して、プライマリデータセンターから2つのリモートサイトにデータをミラーリングする。これにより、中間地点となるサイトにデータのコピーを2部備える必要がなくなるとともに、3番目のサイトのRPO(目標復旧時点)が向上するため、効率性が向上し、少ないストレージ容量でレプリケーションを実現できるという。
このほか、IPv6/IPsecをサポートすることで、iSCSIホスト接続およびIPネットワーク経由のリモートレプリケーションの双方に使用される、業界標準のIPデータ暗号化プロトコルを、EMC Symmetrixシリーズに導入できるようにしている。
日本市場に向けた販売戦略について、EMCジャパン マーケティング統括本部 プロダクト・マーケティング部の中野逸子部長は、「今回のフラッシュドライブのような他社にないソリューションを展開することで、既存顧客の高度化へのニーズに応えていくとともに、EMC営業の新規開拓およびパートナー販売体制も強化し、新規顧客へのアプローチにも力を注いでいく」考えを示した。
■ URL
EMCジャパン株式会社
http://www.emc2.co.jp/
ニュースリリース
http://japan.emc.com/about/news/press/japan/2008/20080213-1.htm
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( 唐沢 正和 )
2008/02/13 16:43
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