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エンタープライズストレージ・サーバ事業統括 ISSビジネス本部の橘一徳本部長
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HP ProLiant DL120 Generation 5
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日本ヒューレット・パッカード株式会社(以下、日本HP)は4月10日、x86サーバー「HP ProLiant」とブレードサーバー「HP BladeSystem」製品群に関する戦略を発表した。その一環として、エントリー向けラック型サーバー「HP ProLiant DL120 Generation 5(以下、DL120 G5)」を発売するほか、165製品の価格改定、トレーニング施策の強化などを実施する。
同社では、x86サーバー分野の国内市場でシェア1位を目指して活動してきたが、2007年の第4四半期に25.1%(IDC調べ、台数ベース)となりこれを達成。さらなるシェア向上に向けて、2008年1月に「日本を進化させるサーバ」というスローガンを打ち出し、各種施策を実施してきている。
今回の発表はこの路線を継続するもので、まず、IT需要を促進するため、HP BladeSystemとHP ProLiantのサーバー本体を中心に、165製品の価格を改定した。値下げ幅は最大25.4%、平均15%で、エンタープライズストレージ・サーバ事業統括 ISSビジネス本部 プロダクトマーケティング部の正田三四郎部長は、これを「IT市場の需要を促進するための起爆剤」と説明。エンタープライズストレージ・サーバ事業統括 ISSビジネス本部の橘一徳本部長も、「市況などもあり、価格引き下げがそのまま出荷台数に直結するとは考えにくい部分もある」としながらも、「当社としては次の目標としてシェア30%獲得をかかげており、そのための施策の1つとして実施する」と話し、次をにらんだ施策であるとした。
また、「製品セグメント別に見ると、1ソケットのラック型がもっとも弱かった」(橘本部長)ことから、この穴を埋める目的で、DL120 G5を投入する。同製品は、Celeron 420(1.6GHz、シングルコア)もしくはXeon 3065(2.33GHz、デュアルコア)を1基搭載するラック型サーバーのエントリーモデル。最大8GBのメモリと、3.5型のSAS/SATA HDDを最大2基内蔵可能で、オプションでリモート管理機能「Lights Out 100c」も搭載できる。
同社ではこの製品で「商用Webサーバーやファイルサーバーなど、究極のコストパフォーマンスを追求する需要に応える」(正田部長)としており、たくさんのサーバーを必要とするWeb 2.0企業など、新しい需要を掘り起こしたい考え。正田部長はさらに、最小構成で5万9850円からという低価格ながらも、昭島工場で生産する「Made in Tokyo」であることや、翌日オンサイト保守(1年)が標準で付属することなどを示し、「価格、品質、性能のバランスが取れたモデルだ」とアピールしていた。出荷開始は5月中旬の予定。
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新制度では、よりきめ細やかな活動を行えるよう、HP ProLiantとHP BladeSystemの資格が分離された
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一方、製品・販売面での拡充と並行して、教育プログラムの強化も積極的に実施する。まず、日本HPが持つトレーニング施設を3倍に拡大し、受講可能な人数を大幅に増やしている。これは一見地味な部分ではあるが、橘本部長は教育面での強化について、「これまではすぐにいっぱいになってしまって、なかなか受けていただけなかったが、教育プログラムをおろそかにすると、中期的にビジネス基盤を弱める可能性があるし、人材・ソフト面の強化を図ることも重要と考えているので、施設を増強した。トレーニングにかける投資も昨年の約5倍に増やしており、中期的なビジネス基盤の強化を図りたい」と述べ、この施策の重要性を強調した。
加えて、「トレーニングを受けて理解していただいた後で、認定資格を取得していただき、より高度なソリューションを顧客にお届けできる環境を作っていきたい」(橘本部長)との考えに基づき、主にパートナーを対象としたサーバー分野のプリセールス/サポート資格において、HP BladeSystemに特化した資格制度を新設した。これによって、よりきめ細やかな提案/サポート活動が実施できるようにしていくという。橘本部長はここでも、「パートナーに当社の資格を取得することが有効だと考えてもらえるよう、市場における立場をいっそう強くしていきたい」との意気込みを示した。なお日本HPでは2008年末までに、200名(自社の人員を除く)のHP BladeSystem認定エンジニアを育成したい考えである。
■ URL
日本ヒューレット・パッカード株式会社
http://www.hp.com/jp/
ニュースリリース
http://h50146.www5.hp.com/info/newsroom/pr/fy2008/fy08-085.html
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・ 「ITで日本のビジネスを進化させる」、日本HPが2008年のストレージ・サーバー事業戦略を説明(2008/01/10)
( 石井 一志 )
2008/04/10 15:03
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