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日本HP、企業向けレーザーMFPとレーザープリンタの新製品

新戦略「プリンティングもITインフラへ」を積極展開へ

執行役員イメージング・プリンティング事業統括の挽野元氏
 日本ヒューレット・パッカード株式会社は4月22日、エンタープライズ向けレーザーMFP(複合機)およびレーザープリンタの新製品9機種11製品を5月より順次販売開始すると発表した。また、今回の新製品によって、エンタープライズ向けプリンタのラインアップが完成したことから、これを機に企業向けプリンティング事業の新たなキーメッセージとして「プリンティングもITインフラへ」を提案し、事業拡大に向けて積極的に展開していく方針を明らかにした。

 同社が新たに提案するキーメッセージ「プリンティングもITインフラへ」は、PCやストレージだけでなく、プリンタもITインフラの範囲としてとらえて集中管理することにより、最適なコストで人・資産の生産性向上を図るとともに、企業として統制されたプリンティング環境の構築を目指すもの。このキーメッセージを新提案する背景には、TCO削減、セキュリティ対策、ガバナンス、CO2削減といった課題を抱えている企業のプリンティング環境の現状がある。

 執行役員イメージング・プリンティング事業統括の挽野元氏は、新製品および新提案の発表にあたり、「これまでの新製品発表会はハードウェアがメインだったが、今回は新たに提案するキーメッセージを軸にした事業戦略が中心となる。この戦略を実現するためのデバイスの一つとして新製品を位置づけている」と強調。「すでに昨年初めから、企業に最適なプリンティング環境を提案・構築するManaged Print Service(MPS)を展開し、現在15社にサービス提供を行っている。そのなかで、プリンティング関連のコストが売上総額の2~6%を占め、この部分のコスト削減が求められているとともに、セキュリティ面の問題としてプリントした紙による情報漏えいのケースが少なくないことがわかった。さらに、グリーンIT対応への意識も高まっていることから、これまで比較的自由に設置されてきたプリンティング環境を見直し、企業のITインフラ全体を考慮したプリンタの配置と集中管理が行える環境を提案していく必要があると考えた」(挽野氏)と述べた。

 この新提案によって、「プリンタを単なる印刷機として販売するのではなく、顧客企業のプリンティング環境全体を管理して、安全性向上と簡素化の実現をサポートするプリンティングソリューションを提案する。あわせて、コスト削減や生産性向上といったワークフローの改善にも貢献していく」考え。


「プリンティングもITインフラへ」の4つの理由 日本HPが提案するエンタープライズプリンティング環境 プリンティングインフラと管理・制御

イメージング・プリンティング事業統括エンタープライズビジネス本部 本部長の石川則夫氏
 また、ITインフラとしてのプリンティング環境を実現するポイントとして、イメージング・プリンティング事業統括エンタープライズビジネス本部 本部長の石川則夫氏は、「ハードウェアの性能はもちろんだが、プリンティング管理ソフトウェアの機能強化も重要なカギになると見ている。そのため、当社では、ソフトウェアの充実にも注力しており、3年前は投資の7割がハードウェア開発だったが、現在ではソフトウェア開発の方が投資の7割を占めるようになっている」と説明した。

 今回の新製品についても、プリンティング管理ソフトウェアの最新版として、プリンティング環境の一元・集中管理をWeb上から実現する「HP Web Jetadmin 10.0」、Active Directory連携機能を追加するなど機能強化を図ったプリンティングポリシー設定ツール「HP Managed Print Administration 2.5」、HPプリンタ全機種共通のドライバ「HP Universal Print Driver 4.5」を全モデルに搭載している。

 新製品のラインアップは、小規模部署向けのコンパクトなA4モノクロ機から、部門全体でセンターマシンとして活用できる多機能なA3カラーMFPまで、多様なニーズに対応可能な9機種11製品を揃えた。


2008年春のMFP(複合機)新ラインアップ 2008年春のレーザープリンタ新ラインアップ

 A3対応カラーレーザーMFPは、「CM6040f」「CM6040」「CM6030f」「CM6030」の2機種4モデル。CM6040シリーズは、中規模ワークグループ(6~15ユーザー)向けモデルで、カラー40枚/分、モノクロ40枚/分の高速プリント・コピーを実現。フロントパネルインターフェイスを完全日本語化し、優れた操作性を備えている。CM6030シリーズは、同様にカラー30枚/分、モノクロ30枚/分の高速プリント・コピーに対応。両シリーズとも、モノクロ1.26円/カラー9.58円のクラス最安となる低ランニングコストにより、企業のプリンティングコストをトータルで削減することができる。価格は、CM6040fが155万4000円、CM6040が144万9000円で、5月中旬から販売開始する。CM6030fとCM6030は6月以降の販売開始予定で価格は未定。

 A3対応モノクロレーザーMFPは、「M9050」と「M9040」の2機種で、それぞれ9050mfp、9040mfpの後継となる。モノクロ1.20円の低ランニングコストで、M9050は50枚/分、M9040は40枚/分の高速プリントが可能。また、30万枚/月の耐久性を備えており、大量出力が必要なセンターマシンとして最適なモデルとなっている。価格はM9050が165万9000円、M9040が134万4000円で、5月7日から販売開始する。


HP Color LaserJet CM6040/CM6030 MFPシリーズ HP LaserJet M9050/M9040 MFPシリーズ

 A3対応カラーレーザープリンタ「CP6015dn」は、カラー/モノクロ41枚/分、ファーストページアウト11.5秒の高速モデル。17万5000枚/月の耐久性とHP ImageREt4800テクノロジによる4800dpi相当の高品質プリントにより、チラシやパンフレットなどを大量印刷する用途にも活用できる。大量高速印刷に対応する大容量給紙トレイや、ステイプルスタッカーなどもオプションで用意している。価格は68万400円で、5月中旬から販売開始する。

 A4対応カラーレーザープリンタ「CP4005dn」は、中規模ワークグループに適した高速カラー印刷と耐久性を実現したモデル。ウォームアップ時間0秒で、カラー25枚/分、モノクロ30枚/分の高速プリントが行える。価格は26万400円で、5月中旬から販売開始する。


HP Color LaserJet CP6015dn HP Color LaserJet CP4005dn

 部単位での使用に最適なA4対応モノクロレーザープリンタとしては「P4515n」「P4015n」「P4014n」の3機種をラインアップ。プリント速度は、P4515nが60枚/分、P4015nが50枚/分、P4014nが43枚/分と高速で、オプションによって3600枚の大容量給紙やステイプルスタッカーが使用できる。なお、クラス最上位機のP4515nでは、ギガビットイーサネットやIPsecに対応。また、P4515nとP4015nは、モノクロ1.46円という低ランニングコストを実現している。価格は、P4515nが26万400円、P4015nが20万7900円、P4014nが13万4400円で、すべて5月中旬から販売開始する。


HP LaserJet P4515n HP LaserJet P4015n HP LaserJet P4014n


URL
  日本ヒューレット・パッカード株式会社
  http://www.hp.com/jp/
  ニュースリリース
  http://h50146.www5.hp.com/info/newsroom/pr/fy2008/fy08-093.html


( 唐沢 正和 )
2008/04/22 19:20

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