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日本HP、8万円台からのサーバーブレード投入-中小市場をさらに開拓


BL260c G5

エンタープライズストレージ・サーバ事業統括 ISSビジネス本部 ビジネスプランニング部の宮本義敬氏
 日本ヒューレット・パッカード株式会社(以下、日本HP)は4月24日、ブレードサーバーのエントリ機種「HP ProLiant BL260c Generation 5(以下、BL260c G5)」を発表した。中小規模市場をさらに開拓するための戦略的製品で、8万円台からの低価格を実現したのが特長。5月中旬から出荷を開始する。

 HP BladeSystemは、中堅・中小規模市場が好調だ。2007年9月、この市場に向けて小型ブレードサーバー筐体「c3000」を投入した日本HPだが、これが大きな原動力となり、2008年1~3月期は前年同期比で282%の成長を遂げたという。いち早く提供されていた大規模向け「c7000」の出荷台数も1年間でおよそ倍増しているが、c3000の成長はそれをはるかにしのぎ、発売からの約半年の間で、すでに全体の53%を占める出荷台数となっている。

 c3000がここまで好評なのには、いくつか理由がある。中堅・中小市場に乗り出すに当たって、日本HPでは、「BLADE 3.0 compact」という明確なメッセージを打ち出し、この1月にはタワー型のc3000など、中堅・中小企業のニーズを的確にくみ取った施策を展開してきた。またBladeSystemの生産拠点を日本の昭島工場に移し、最短5営業日という短納期を実現したほか、大々的なキャンペーンを打つなど、多くの施策を講じてきた。

 エンタープライズストレージ・サーバ事業統括 ISSビジネス本部 ビジネスプランニング部の宮本義敬氏は、「これらが功を奏した。中でも、キャンペーンが大きなエンジンとなり、『ブレードと仮想化はじめてセミナ』ではのべ4000名が参加し、『ブレードNO.1ありがとうキャンペーン』では週50件の引き合いがあった」と話す。

 今回の新製品は、この流れをさらに加速するためのもので、狙うはx86サーバー市場における単価2900ドル以下の領域だ。同氏は「この領域では、x86サーバーに占めるブレードの割合は0.1%。ないに等しい。この領域へのブレード投入には、単に低価格の製品を投入するだけでなく、パートナーとのより密な連携が必要となるため、どこもいまだ手つかずだったのだが、新製品でこの領域を本気で狙っていく」としている。


ブレードは中堅・中小が好調。すでにc7000よりc3000の出荷台数の方が多い 単価ベースで2900ドル以下の領域はほとんど手つかず 中堅・中小領域に向け、数々の施策を展開中の日本HP

エンタープライズストレージ・サーバ事業統括 ISSビジネス本部 プロダクトマーケティング部の山中伸吾氏
 その思いが、最小構成8万9250円という新製品のプライシングに表れている。この価格で、中堅・中小企業における初期導入コストの障壁を取り払った。また、「この価格が実現できると、まったく新しい市場にもアプローチが可能になる」と、エンタープライズストレージ・サーバ事業統括 ISSビジネス本部 プロダクトマーケティング部の山中伸吾氏は語る。

 それは、低価格サーバーを大量に必要とするホスティング企業やWeb 2.0企業だ。オンラインゲームやSNS運営などを行う企業では、11万円ほどの格安1Uラックマウントサーバーを利用するケースが多いという。これと従来のBL460cを比べてしまうと、「いくらブレードは優れているといっても、例えば16台構成の場合、数百万円の価格差でブレードの方が割高になってしまう。これではさすがに使ってもらうのは難しい」(山中氏)。

 ところがBL260c G5の投入で、この価格差を20万円台にまで縮めることが可能になるのだ。「1Uラックマウントサーバーより安くはならないが、20万円ほどの差であれば、ブレードのそのほかのメリットが受け入れられる可能性は大きい。特にデータセンター利用コストを抑えるために、1台のラックにできるだけサーバーを詰め込みたいと考えているホスティング・Web 2.0企業にとっては、省スペース化やケーブリングコストの削減ができるブレードは最適な選択肢になり得る」と、山中氏は積極的な市場開拓の姿勢をのぞかせた。


BL260c G5で初期導入コストを大幅に低減 ホスティング・Web 2.0企業は、機能よりも、安さ・小ささ・低消費電力性を優先 格安1Uサーバーと比べても、BL260c G5なら価格的に見劣りしない

BL260c G5のスペック
 BL260c G5のスペックとしては、Celeron C445(1.86GHz)、Core 2 Duo E6405(2.13GHz)、デュアルコアXeon 5200番台、クアッドコアXeon 5400番台に対応。CPUソケットは2つあり、マルチCPUに対応するXeon 5200/5400番台ならば、デュアル構成が可能だ。メモリは6スロットで最大24GBまで、HDDは120GB SATAを最大2台まで搭載できる。ネットワークインターフェイスは、オンボードで標準2基、最大6基まで拡張可能。

 低価格を実現するための変更は、HDDをSASからSATAに変えたことくらいで、電力監視ソフト「HP Insight Power Manager」や遠隔管理ソフト「Integrated Lights-Out 2(iLO 2)」など、BladeSystem c-Classにまつわる管理機能はすべて利用可能。これにより、上位サーバーと同等の管理性を実現しているとのこと。

 なお8万9250円では、Celeron C445、メモリ512MB×2、HDDなしといった構成になる。



URL
  日本ヒューレット・パッカード株式会社
  http://www.hp.com/jp/
  ニュースリリース
  http://h50146.www5.hp.com/info/newsroom/pr/fy2008/fy08-095.html

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( 川島 弘之 )
2008/04/24 14:46

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