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NEC、「マイナス20度でも使用可能」な堅牢ノートPCの新モデル

デュアルコアCPUの採用で基本性能を強化

FC-N22A

制御システム事業部 第三システム部 中野智視グループマネージャー
 日本電気株式会社(以下、NEC)は5月8日、堅牢ノートPC「ShieldPRO」のラインアップに、「FC-N22A」を追加すると発表した。基本性能を向上させながら、堅牢性は従来製品を継承。さらに、防塵(ぼうじん)・防滴性能の強化、液晶ディスプレイの高輝度化、ユーザビリティの向上などを実現したという。6月下旬から順次出荷を開始する予定で、価格は従来モデルと同等の30万円程度からになる見込み。

 FC-N22Aは、自社開発の堅牢ノートPCでは2世代目となる製品。高さ90cmからコンクリートの床へ落としても壊れない高い耐衝撃性や、耐振動性を持つ。また、防塵・防滴性能も充実しており、従来製品と同様、国際的な侵入保護等級であるIP54へ準拠するほか、保証はしないものの、上のクラスであるIP55準拠試験をクリアできるだけの性能を備えているという。利用可能温度も、通常モデルで5~45度、広温度範囲HDDまたはSSD/広温度範囲バッテリ利用時でマイナス20~50度と幅広い温度に対応。さらに今回は、従来モデルでは対象外だったACアダプタも含めて、マイナス20度の極低温で動作できるようになった。

 CPUは、同社の堅牢ノートPCとしてはじめてデュアルコアを採用。メモリも最大4GBまで搭載できる(標準は512MB)ようにするなど、基本性能を向上させている。また、屋外での視認性を向上させるため、750cd/m2の高輝度LCDパネルを採用したほか、Bluetooth対応、ExpressCard/54対応、HDDとSSDの大容量化、HDDやバッテリの着脱を容易にするなどの改良も行われている。こうした性能向上について、制御システム事業部 第三システム部 中野智視グループマネージャーは、「防滴のためファンレス構造になっていながら、(気温)50度までCore 2 Duoが安心して使えるのは、当社ならでは。高温でのベンチマークで性能を確認しているが、その差は歴然」とアピールする。


マイナス20度の極低温でも使用可能。記者発表会では、それを実証するためのデモも行われた 温度計はマイナス20度を指している 豪雨のもとでも使用可能な防滴性を持つ

ラグビートップリーグ NECグリーンロケッツの浅野良太選手も、新製品を手にPR

特注で、7色のカラーバリエーションにも対応する
 主なスペックは、Core 2 Duo U7500(1.06GHz)、モバイルインテルGME965 Expressチップセット、512MBメモリ、80GB SATA HDD、光学ドライブなし、XGA(1024×768ドット)表示可能な12.1型タッチパネル液晶、標準バッテリ(6セル)、Windows XP Professionalなど。HDDはこのほか広温度範囲HDD(Ultra ATA 40GB)とSSD(Ultra ATA 20GB)が、またバッテリは広温度範囲バッテリとスタミナバッテリ(9セル)が用意されている。

 ネットワーク機能は1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T×1を標準で備え、オプションでIEEE 802.11a/b/g無線LANも選択可能。インターフェイスはUSB 2.0×3、シリアル、IEEE 1394、PCカードスロット、ExpressCard/54スロット、メモリカードスロットなどを搭載する。

 バッテリ駆動時間は、標準バッテリで約8時間、広温度範囲バッテリで約9時間、スタミナバッテリで約12時間。サイズと重量は、290×255×47mm(W×D×H)、約2.5kg。

 中野氏によれば、従来のShieldPROは工場内の生産管理端末、自動車開発・整備端末、災害対策端末、救急車向け端末などとして利用されてきたとのことだが、今回の機能強化によって、明るい屋外や雨天・寒冷地などへの適応性が向上。フィールドメンテナンス、屋外計測、屋外競技支援、冷凍倉庫内などで利用される端末としても適用できるようになったという。また、天板の色を特注できるようにしたことで、「専用端末として作業員に配布する場合に、一般PCとの区別をしやすくしたい」といった要望にも応えられるようになったとしている。

 なお、放送・制御販売本部の前嶋宏本部長は、記者発表会の冒頭で「昨年1月に堅牢ノートPC市場へ本格的に参入後、約1年で3000台強の実績を上げることができた。国内ではシェアを約10%確保できたが、数字的にはまだまだ満足できるものではない」とあいさつ。「新規参入1年目としてはまずまずのスタートだったが、販売台数やシェアについてより高い目標をかかげ、次のステップに進みたい。その武器となるのが新製品だと思っている。従来機から性能を向上させ、競合他社と比べても同等以上の機能・性能を実現できた」と述べている。NECでは、今後2年間で5万台の出荷を見込む。



URL
  日本電気株式会社
  http://www.nec.co.jp/
  プレスリリース
  http://www.nec.co.jp/press/ja/0805/0801.html

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( 石井 一志 )
2008/05/08 16:08

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