Enterprise Watch
最新ニュース

APCジャパンとベストソリューションズ、ラック免震装置「ISO-Modular for APC」


ISO-Modular for APC

ラックを搭載した様子
 株式会社エーピーシー・ジャパン(以下、APCジャパン)と株式会社ベストソリューションズは5月13日、ラック向け免震装置「ISO-Modular for APC」を発表した。APCジャパン製ラック「NetShelter SX」の基礎部に取り付けて利用するもので、両社が共同開発。5月20日から販売を開始する。

 地震大国・日本においては、データセンターやサーバールームのIT機器における地震保護対策が重要とされている。APCジャパンは以前より明治大学と共同研究を行っており、その結果、「NetShelter SXは、兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)規模以上の地震動にも耐えるラックであると確認された」という。しかし、よりデータセンターの現状に近づけた条件で研究を進めたところ、「6階建て程度の建物では床応答加速度が地震動の3倍以上にも増幅され、ラックの耐震性だけでなく、ラックの免震機能が必要であることが分かった」としている。

 地震に対しては「耐震」「免震」などいくつかの対策手法があるが、耐震は物体そのものを頑丈にすることで地震に対すもの。頑丈にすればするほど強度は上がるが、同時に、地震の揺れをそのまま受けてしまうことになる。一方の免震は、物体と床の間などに積層ゴムや油圧性ダンパーなど弾性を持つシステムを設置することで、揺れを受け流すのが特長である。

 今回発表したISO-Modular for APCは、6階建て以下の建物の地震対策として最適というラック向け免震装置。直下型地震および海溝型地震どちらにも対応するほか、ラックと同サイズに収まる省スペース構造を実現している。搭載重量は1.2tまで、価格は2台のラックを積載できるプランク当たり40万円(税別)。

 APCジャパンの調査では、データセンターの地震対策について、利用者の55%が「何もしていない」と回答しているという。今後、APCジャパンとベストソリューションズは新製品の提供を通じて、地震対策の重要性を啓発し、地震に対する危機意識の向上を図っていく意向。



URL
  株式会社エーピーシー・ジャパン
  http://www.apc.com/jp/
  株式会社ベストソリューションズ
  http://www.bestsol.co.jp/


( 川島 弘之 )
2008/05/13 16:48

Enterprise Watch ホームページ
Copyright (c) 2008 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.