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ブロケード、8Gbps FC対応のSANスイッチやHBAを発表

エンドトゥエンドでのソリューション提供を実現

Brocade 5300

新製品のHBA
 米Brocade Communications Systemsは5月13日(米国時間)、8Gbps FC(ファイバチャネル)対応のSANスイッチ3製品とHBA(ホストバスアダプタ)4製品など、SAN関連の新製品を発表した。いずれの製品も、同社が提唱している「データセンターファブリック」構想を補完する重要なコンポーネントに位置付けられている。

 新製品のうちSANスイッチは、「Brocade 300」「Brocade 5100」「Brocade 5300」の3製品が発表された。Brocade 300は8~24ポート、Brocade 5100は24~40ポートを搭載できるほか、最上位のBrocade 5300は48~80ポートを搭載可能な高密度製品となっている。この理由について、ブロケード日本法人のシステムエンジニアリング統括部長、小今井裕氏は「データセンターの大規模化で、より多ポートの製品が求められるようになったため」と説明した。

 さらに、ファームウェアの新版「FOS 6.1」を搭載することによって、ルータ機能をスイッチに付加する「Integrated Routing」オプションも利用可能(Brocade 300を除く)。よりシンプルな機器構成でSANルーティングを導入できるようにし、管理効率を向上させている。もちろん、旧マクデータ製品を含めた従来製品との互換性は確保。電力効率も従来と比べて40%向上するなど、環境対応も進めているとのこと。

 HBAは、ポートあたり最大50万IOPSの高い性能を持つとともに、同社の管理ソフトを利用した一元管理に対応。また、インテリジェントな機能をSANへ提供するコンセプト「アダプティブ・ネットワーキング」もサポートしており、SANスイッチと連携することで、エンドトゥエンドのソリューションを提供できるという。例えばQoSでは、仮想サーバーのゲストOSごとにQoSを実装し、個々のアプリケーションの要求レベルに応じた詳細なコントロールを行えるほか、データ暗号化をHBAから行える仕組みを持つので、より安全に、ストレージまでデータを転送できるようになるとした。また今後は、VMwareのVMotionのように、サーバー間で仮想マシンを移動させた場合に、ポリシーについても同時に移動先へ適用できる仕組みも提供したい考えである。

 販売対象は、主に仮想環境を利用するユーザーを想定する。ただし小今井氏は「仮想環境でも、まだ8Mbpsが必要な顧客はまだ多くなく、どちらかといえば、エンドトゥエンドのコントロールを評価していただいている」とコメント。それに対応するために、HBAも8Gbps FC×1ポート、2ポートの各製品に加え、4Gbpes FC×1ポート、2ポートの製品を用意。スイッチも4Gbps以下の規格とも互換性を備えており、最初4Gbpsで利用して、必要に応じて8Gbpsへ拡張していくことも可能という。

 新SANスイッチは5月13日より、同社ならびに一部OEMベンダーから米国での販売開始されたほか、HBAは、6月の提供開始を目指して準備が進められているという。国内での提供は、いずれも、それより遅くなる予定。



URL
  米Brocade Communications Systems
  http://www.brocade.com/
  ブロケードコミュニケーションズシステムズ株式会社
  http://www.brocadejapan.com/
  ニュースリリース(日本語抄訳)
  http://www.brocadejapan.com/news/index_press_text.php?key=20080514085351


( 石井 一志 )
2008/05/16 15:58

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