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日本HP、12.1型液晶搭載の頑丈モバイルシンクライアント

イー・モバイルとのセット販売も発表

HP Compaq 2533t Mobile Thin Client
 日本ヒューレット・パッカード株式会社(以下、日本HP)は6月23日、耐久性・携帯性に優れたノート型モバイルシンクライアント「HP Compaq 2533t Mobile Thin Client(以下、2533t)」を発表した。端末のみの「2533tスタンダードモデル」のほか、中堅・中小企業向けにデータ通信カードをプラスした「2533tイー・モバイルセットモデル」も提供する。販売開始は6月26日より。

 2533tは、シンクライアント向けに専用設計された12.1型ワイド液晶搭載端末。執行役員 パーソナルシステムズ事業統括 マーケティング統括本部長の松本光吉氏は、「これまでのノート型シンクライアントがノートPCを加工しただけだったのに対し、2533tはHDDを取り除いた形跡もない完全な専用設計。これにより低価格化が実現できた」と特長を語る。

 用途としては、会社に置いてある自分のPCから画面を転送し簡単な書類を作成するなど、ライトな利用を想定する。持ち運びに耐えるよう強度を考慮し、天板には耐久性・塗装のはげにくさを兼ね備えた陽極酸化アルミニウムを採用。その上で内側にマグネシウムを張り合わせる、航空機と同じ工法とすることで強度を実現した。1800ポンド(約816.48kgf)の圧力をかけた環境での検証をクリアしているという。内部構造でも、冷却ファンなどの回転部品を一切使用しないことで耐障害性を高めた。


執行役員 パーソナルシステムズ事業統括 マーケティング統括本部長の松本光吉氏 モバイルシンクライアントのBefore/Afterを示し、現在の市場の盛り上がりをアピール 大規模なシンクライアント環境ではなく、中堅・中小向けのシンプルなシンクライアントソリューションとして訴求する

2533tの特長

イー・モバイルのデータ通信カードをセットにしたモデルも用意
 12.1型ワイド液晶を搭載。重さは約1.36kg。キーピッチ19mmのフルサイズキーボード、タッチパッドとポイントスティックを備えることで使いやすさを実現した。通信インターフェイスとしては、Gigabit対応の有線LANやIEEE 802.11a/b/g準拠の無線LANのほか、PCカードスロットを搭載。3Gデータ通信カードの使用も可能にした。そのほかスペックとしては、VIA C7-Mプロセッサ、1GBメモリ、1GBフラッシュモジュール、Windows XP Embedded SP2などで、2533tスタンダードモデルの価格が12万5790円。

 一方、2533tイー・モバイルセットモデルでは、2533tスタンダードモデルにイー・モバイルのデータ通信カード「D02NE」または「D02HW」をパッケージし、価格は10万4790円。端末自体の仕様は同じだが、イー・モバイルのインセンティブの分だけ安価になっている。データ通信利用料は別途必要で、イー・モバイルの7.2Mbps定額プランを2年間単位で契約する形となる。大規模なバックエンドシステムを構築する必要がないため、中堅・中小企業のユーザーにも手軽なシンクライアントソリューションとして訴求している。

 松本氏は、ブレードPC2700台+シンクライアントが稼働する日本通運などの事例を挙げ、「最近になって多くの企業でシンクライアント導入が進んでいる」と発言。また「これまではデータ通信カードのスピードが遅かったためシンクライアントとデータ通信カードを組み合わせての利用は浸透していなかったが、最新技術によりこうしたボトルネックが解消され始めている」とし、潜在市場を開拓する姿勢を見せた。



URL
  日本ヒューレット・パッカード株式会社
  http://www.hp.com/jp/
  ニュースリリース
  http://h50146.www5.hp.com/info/newsroom/pr/fy2008/fy08-129.html


( 川島 弘之 )
2008/06/23 14:07

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