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ログ管理アプライアンスを手掛ける米LogLogic、日本市場へ参入

日本法人を設立し、新製品もリリース

米LogLogic、President&CEOのパトリシア・スエルツ氏
 統合ログ管理ソリューションを手掛ける米LogLogicは7月14日、日本法人となるLogLogic Japan株式会社を設立。日本版SOX法やPCIDSS(PCIデータセキュリティ基準)対応へのニーズ高まる日本市場へ本格参入すると発表した。これに伴い、同ソリューションの最新版「LogLogic 4.2i」を投入するとともに、日本語環境での動作検証などを行うラボ「LogLogic Japan Support Laboratory(以下、LogLogic JSL)」を東京都内に開設。カスタマーやパートナーへのサポート体制を整え、「企業が抱えるログ管理の課題を、ログのライフサイクル全般を通して支援する」(LogLogic Japan、カントリーマネージャの池田克彦氏)とした。

 米LogLogicは、2002年に設立されたログ管理ソリューションを手掛ける企業。同社のPresident&CEO、パトリシア・スエルツ氏によれば、「売上高で年率300%の伸び、顧客数450社、パートナー数も100社以上と、急速に成長を遂げている」という。


LogLogic Japan、カントリーマネージャの池田克彦氏

LogLogic LX

さまざまなログを中央のデータベースで管理するLMDWを実現
 主力製品となるのが、今回新版が発表されたLogLogicシリーズ。さまざまなデバイス、OS、アプリケーションにおける形式の異なるログデータを収集して一元管理を可能にするもので、ログ管理データウェアハウス(LMDW:Log Management Data Warehouse)の構築を実現する。

 現状、ログ管理の問題は、システムごとに個別にログ収集されている点にあると池田氏は指摘する。「必要なログはすべて収集できているのかもしれないが、個別に収集され、別々の管理者によって管理されているため、監査でログを提出しなければならない場合に対応が困難になっている」(同氏)。

 LogLogicシリーズでは、さまざまなログを中央のデータベースで管理するLMDWを実現することで、ログのライフサイクルマネジメントが実現する。池田氏によると「ログの内容を判断した上で保存し、アラートやレポートの機能を提供。さらに、監査証跡として長期保存する仕組みや、改ざん防止の仕組み、検索やログを共有する仕組みまでをトータルに提供できる」という。

 またオープンなプラットフォームで作られているため、提供されるAPIを利用して、パートナー企業が自社のダッシュボードやポータルといった製品にログ管理や共有の仕組みを容易に追加できる点も、他社にはない優位点としている。

 製品ラインアップとしては、「LXシリーズ」と「STシリーズ」の2種類を用意。前者では、最大4000メッセージ/秒のログ収集が可能で、最大2TBの内蔵ストレージを搭載。独自のログ解析を行い、ログの内容を判断した上で、データベースへ保存できるのが特長という。収集速度、内蔵ストレージ容量、スケーラビリティの違いに応じて、「LX510」「LX1010」「LX2010」の3モデルを取りそろえている。

 一方、後者では、最大7万5000メッセージ/秒のログ収集が可能で、最大34TBの内蔵ストレージを搭載。さらに外部NASなどとの連携機能も備える。これにより実質的にストレージ容量は無限大となる。LXシリーズのようにログデータの独自解析は行わず、生ログをためていく方式を採用。長期保管などに優れるという。

 今回の新版では、検索機能と応答時間を最大25%向上したほか、ログ取得が可能な製品・アプリケーションの拡充、レポート機能の強化などがなされている。ログデータソースとしては、「現在主要な製品ほとんどに対応している」(スエルツ氏)とのこと。


ログのライフサイクルマネジメントを実現 製品ラインアップ APIによりパートナー企業は自社製品に容易にログ管理機能を取り込める

 同社では、トラブルシューティングなど運用管理に対するニーズだけでなく、日本版SOX法やPCIDSSといった基準や規制に対するニーズも視野に製品を展開していく方針。このため、COBIT、PCI、ITIL、SOXなど10種類以上の主要運用規則に対応したガイドラインを提供する。各要件に対応するため500以上のレポート・アラートを準備しており、デフォルトで搭載する24種のレポートテンプレートを活用することで、総数1万5000種類のレポートを作成することが可能という。

 加えて、アプライアンスのサポートラボとなるLogLogic JSLを都内に設立することで、日本語ログなどの検証環境を整える。ここでは各種カスタマーサポートやパートナーサポートを提供するほか、インターネット経由でのデモンストレーションなどにも対応。また、導入前に最大30日間、検証用にアプライアンスを貸し出すプログラムなども開始し、販売・サポート体制を強めていく。

 価格は、LXシリーズが270万円(税別)から、STシリーズが972万円(同)から。販売は2社のパートナー、ネットワークバリューコンポネンツ(NVC)と兼松エレクトロニクスが行う。



URL
  LogLogic
  http://www.loglogic.com/
  株式会社ネットワークバリューコンポネンツ
  http://www.nvc.co.jp/
  兼松エレクトロニクス株式会社
  http://www.kel.co.jp/


( 川島 弘之 )
2008/07/14 16:55

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