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インテル、ノートPC向け新プラットフォーム「Centrino 2」

リモート管理機能を強化したビジネス向け「Centrino 2 vPro」も

Centrino 2のコンポーネントをかかげる、代表取締役共同社長の吉田和正氏

今後のモバイルコンピューティングに求められる機能
 インテル株式会社は7月16日、ノートPC向けの最新プラットフォーム「インテル Centrino 2 プロセッサー・テクノロジー」(以下、Centrino 2)を発表した。これまで「Montevina」(開発コード名)と呼ばれていたもので、Centrinoとしては5世代目。ラインアップには、主にコンシューマ向けのCentrino 2に加え、管理機能・セキュリティ機能を付加したビジネス向けの「Centrino 2 vPro」が用意される。製品は、約250種類にもおよぶ機種が、PCメーカーやホワイトブックベンダーから提供される予定。

 Centrino 2の主な構成要素は、45nmプロセスで作られたCore 2 Duoと、「モバイルインテル 4シリーズ Express」チップセット、「インテルWiFi Link 5000番台」ワイヤレスミニカードなどで、従来よりも性能を向上させながら、より長いバッテリ駆動時間、無線LANの高速化を実現したという。

 代表取締役共同社長の吉田和正氏は、2001年からのモバイルコンピューティングの状況を振り返り、PC市場が拡大する一方でノートPCの比率が上昇したことなどトピックとして挙げたが、今後もこの流れは変わらないと主張。これから先の市場を踏まえたときに必要な機能として、「HDのユーザー体験に必要な高いパフォーマンス」「長いバッテリ駆動時間」「革新的なフォームファクタ」「広帯域のワイヤレス」「管理性とセキュリティ」といった5つを取り上げ、「これらをバランス良くプラットフォームがサポートしないといけない。今回発表するCentrino 2で市場のニーズに対応する」と述べている。


Centrino 2のコンポーネント Centrino 2のロゴ 発表会場には多数のノートPCが展示されていた

インテル技術本部 本部長の及川芳雄氏
 各コンポーネントを見ると、45nmプロセス世代の新しいノートPC向けCore 2 Duoは、最大1066MHz FSBをサポートし、プラットフォームレベルでの性能向上を実現。平均消費電力も0.8Wに削減した。また、TDPを30%削減した25Wの製品が導入されており、「低電圧版でなくとも、軽くて薄いフォームファクタを実現できる」(インテル技術本部 本部長の及川芳雄氏)という。

 チップセットでは、DDR3メモリをサポートしたほか、オンボードのGPU性能を強化し、「第4世代と比べて約2倍の3Dパフォーマンスを実現した」点が最大の特徴。GPUを拡張しなくとも、オンボードGPU「インテル GMA X4500HD」の性能だけで、Blu-rayの再生が可能になっている。さらに、「スイッチャブル・グラフィックス」機能により、オンボードGPUと外付けGPUのグラフィックス機能を、スイッチのオン・オフ、もしくはACアダプタの着脱などによる電源駆動状況の変化によって切り替えられるとのこと。なおモバイルインテル 4シリーズ Expressでは、グラフィック機能を搭載する「GM45」以外に、グラフィック機能を含まない「PM45」も提供する。

 無線LAN機能を提供するWiFi Link 5000番台は、IEEE 802.11n(ドラフト)をサポートし、IEEE 802.11a/b/gと比べて約5倍の通信速度に対応。接続範囲も2倍に向上され、さらに無線LANが利用しやすくなっている。さらにインテルでは今後、広範囲をカバーできるWiMAXにも対応させる予定という。


Centrino 2で用いられるノートPC向けCore 2 Duoの特徴 モバイルインテル 4シリーズ Expressチップセットの特徴 インテルWiFi Link 5000番台の特徴

Centrino 2 vProが必要とされる理由

今回の強化点
 一方、Centrino 2 vProで提供される企業向け機能としては、管理技術「インテルAMT 4.0」をサポート。無線LAN環境下における遠隔管理機能が強化され、PCがスリープ/ハイバネーション状態であっても、無線経由で運用管理が可能になった。さらに、「クライアント主導リモートアクセス」機能が追加され、社員の自宅などイントラネットの外部からのアクセスでも、管理ネットワークにアクセスし、管理者による問題解決などが行えるようになっている。

 及川氏は、「昨年のCentrino Pro発表以来、セキュリティと管理機能は当社としても注力しているもの。生産性向上のためにビジネス可用性への要求が大きくなっているものの、ITにかけるリソースは限られている。またセキュリティでは、ユーザーの生産性を妨げるセキュリティポリシーを導入しなければならないケースも増えているだろう。これらを解決するために、プラットフォームレベルでセキュリティや管理機能、そしてユーザーの利便性を高める製品が必要とされている」と述べ、Centrino 2 vProをアピール。ゲストとして、信州大学医学部附属病院 医療情報部 講師・副部長の坂田信裕氏も登壇し、「新Centrinoは、処理性能、セキュリティ、管理機能といった点で、業務端末に求められる機能が増大する病院のニーズにもマッチしている」と、期待を表明した。


同日発表されたレノボの「ThinkPad X200」 参考展示されていた富士通の「LIFEBOOK Eシリーズ」 こちらも参考出品されていたNECの「VersaProシリーズ」


URL
  インテル株式会社
  http://www.intel.co.jp/
  プレスリリース
  http://www.intel.co.jp/jp/intel/pr/press2008/080716c.htm

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( 石井 一志 )
2008/07/16 16:04

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