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レノボ、ハイパフォーマンスのモバイルワークステーション「ThinkPad W700」

業界初、デジタイザーとカラーキャリブレーションを内蔵

ThinkPad W700

研究・開発 品質開発・製品保証 モービル製品技術 Project Management Professionalの永井正彦氏

ThinkPad W700に搭載されたデジタイザー
 レノボ・ジャパン株式会社(以下、レノボ)は8月26日、モバイルワークステーションの新製品として、128mm×80mmのデジタイザーとカラーキャリブレーション機能を内蔵したハイパフォーマンスモデル「ThinkPad W700」を販売開始したと発表した。同時に、ノートPCのベーシックモデル「ThinkPad SL300」も販売開始する。

【お詫びと訂正】初出時、ThinkPad W700とThinkPad SL300の写真を逆に掲載しておりました。お詫びして訂正いたします。

 ThinkPad W700は、デスクトップワークステーションの機能を完備しつつ、モバイル性を追究したハイパフォーマンスモデル。モバイルワークステーションとしては業界初となる、128mm×80mmサイズのワコム製デジタイザーとX-rite PANTONEカラーキャリブレーションシステムを搭載。また、新しいNVIDIA Quadro FXモバイルグラフィックスや新しいインテルモバイル Quad Coreなど、最新技術をいち早く採用している。

 研究・開発 品質開発・製品保証 モービル製品技術 Project Management Professionalの永井正彦氏は、新製品の開発コンセプトについて、「“モバイル・ワークステーションの頂点”をテーマに開発を進めてきた。そして、最高の性能を発揮するために、17型ワークステーション専用のプラットフォームを開発した。さらに、企画段階からインテルとの協力体制を構築し、両社の技術者がミーティングを繰り返しながら、市場の動向やテクノロジーの動向などを検討した結果、業界最高水準のパフォーマンスを備えたモバイルワークステーションが実現した。実際に、Windows Experience Indexでは、全カテゴリで満点のスコアを達成している」と述べた。

 ThinkPad W700の具体的な特徴としては、本体に搭載されたデジタイザーと内蔵ペンを使うことによって、ユーザーの操作性を向上。簡単に画像の校正設定を行うことができ、画面全体またはユーザーが指定した領域にマッピングが可能となっている。また、カラーキャリブレーション機能では、新たに開発した専用小型内蔵センサーにより、優れた操作性と携帯性を実現。広色域液晶パネルの性能をフルに発揮し、繊細な色彩を調整することができる。外付けのカラーキャリブレーターと比較すると、セットアップの時間が不要で、キャリブレーションの時間を大幅に短縮できる。


ThinkPad W700のターゲット市場

マーケティング&広報本部長 執行役員の原田洋次氏
 CPUには、最新のクアッドコア製品を搭載可能にするとともに、完全な管理環境を実現するIntel vProテクノロジー搭載モデルも用意する。2つのメモリスロットを備え、最大4GBまで拡張可能。グラフィックス性能では、1GBグラフィックスメモリ搭載のハイエンドモバイル向けNVIDIA Quadro FX 2700M/3700Mを採用している。ストレージは、RAID対応2.5型SATAスロットを2基搭載。パフォーマンスや容量、信頼性に応じ、高速なデータアクセスと保存を実現するRAID 0構成か、データをミラーリングする冗長構成のRAID 1構成を選択することが可能となっている。

 ディスプレイには、高輝度、広色域、高コントラストを実現した17型のWUXGAもしくはWXGA+液晶ワイドパネルを搭載。外部インターフェイスとして、VGA、デュアルリンクDVI、ディスプレイポートをサポート。また、7-in-1マルチカードリーダーおよび5つのUSBポートを備え、デジタルコンテンツの伝送とアクセスへの柔軟性を提供する。このほか、コンパクト・フラッシュ・リーダーとブルーレイDVDバーナー/プレーヤーのオプションが可能。オプショナルのミニドックは、eSATAおよびデジタルオーディオボードへの拡張を可能にするとともに、電力、外部モニタ、周辺機器への便利なケーブル接続を提供する。

 同社では、グラフィック、デジタル写真、CAD、製造およびガス・石油業界における、データやグラフィックの使用負荷が最も高いユーザーをターゲットにしており、マーケティング&広報本部長 執行役員の原田洋次氏は、「レノボ発足から3年目を迎えた今年は、成長への飛躍に向けて製品ラインアップの拡充に力を注いでいるが、その中でも、今回発表したThinkPad W700は、久々の大型新製品として位置付けている。現在、ワークステーション市場におけるモバイルワークステーションのシェアは20%~25%を占めており、その市場は拡大を続けている。こうした市場背景の中で、当社でもモバイルワークステーション市場でのさらなるシェアアップを目指して、新製品を拡販展開していく」と意欲を見せている。

 ダイレクト価格は、Windows Vista Business SP1(32ビット版)、Core 2 Duo T9400、17型WXGA+液晶、NVIDIA Quadro FX 2700M、1GBメモリ、160GB 7200rpm HDD×2、DVDスーパーマルチドライブといった構成の「27574JJ」が42万円、Windows Vista Business(32ビット版ダウングレード)、Core Duo T9600、17型WUXGA液晶、NVIDIA Quadro FX 2700M、2GBメモリ、200GB 7200rpm HDD×2、DVDスーパーマルチドライブの「27574LJ」が48万8250円。また、Windows Vista Ultimate SP1(64ビット版)、Core 2 Extreme QX9300、17型WUXGA液晶、NVIDIA Quadro FX 3700M、4GBメモリ、200GB 7200rpm HDD×2、ブルーレイドライブといった「27585EJ」では73万5000円。


ThinkPad SL300
 同時発売するThinkPad SL300は、中小企業・SOHO向けベーシックノートPC「ThinkPad SLシリーズ」の新機種で、13型ワイド型液晶を搭載したモバイルモデル。Lenovo3000シリーズの後継機として、ThinkPadブランドの堅牢性や信頼性、耐久性とパフォーマンスのバランスの良さなど、長所をすべて踏襲。また、スタイリッシュなデザインを採用し、黒く光沢のあるトップカバーを実装している。さらに、煩雑なネットワークの接続や設定、メンテナンス作業を軽減したり、PCのトラブルを迅速に解決したりできるLenovo Coreソフトウェア、HDDを保護するアクティブ・プロテクション・システムを搭載している。全5モデルのラインアップで、ダイレクト価格は13万7550円から。



URL
  レノボ・ジャパン株式会社
  http://www.lenovo.com/jp/
  ニュースリリース
  http://www.lenovo.com/news/jp/ja/2008/08/0826.html


( 唐沢 正和 )
2008/08/26 16:54

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