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ネットアップ、異機種ストレージの仮想化を可能にする「Vシリーズ」

他社製ストレージ混在環境の一元管理を実現

新製品の位置付け

マーケティング本部ソリューションマーケティング部 部長の阿部恵史氏

新製品の導入ステップ
 ネットアップ株式会社は9月10日、異機種混在環境でのストレージ製品の一元管理を容易にするストレージ仮想化専用システム、「Vシリーズ」を発表した。同日より販売を開始する。

 Vシリーズには、同社のストレージ専用OS「Data ONTAP」を搭載。他社製ストレージのボリュームを認識し、Data ONTAPのストレージプールに組み込む機能を備えている。これにより、他社製ストレージのヘッドユニットとして接続するだけで、既存のストレージ環境を大幅に変更することなく、Data ONTAPによる統合管理を実現する。対応する他社製ストレージは、IBM、HP、Hitachi、EMC、Fujitsu、3PARの各社製品。

 マーケティング本部ソリューションマーケティング部 部長の阿部恵史氏は、新製品の狙いについて、「他社製ストレージが混在し、運用管理が複雑化しているデータセンター環境、またストレージインフラ全体の仮想化を検討している企業などに向けて、Data ONTAPの各種管理機能、実行機能を提供するとともに、既存資産の有効活用によるTCO削減を支援していく。さらにVシリーズは、マルチプロトコルに対応しているため、NASゲートウェイ接続だけでなく、SANシステムへの機能拡張、iSCSIゲートウェイ接続にも1台で対応でき、導入企業は利用効率が高く、柔軟性、信頼性に優れたストレージ環境を構築することが可能となる」と述べている。

 他社製ストレージの統合管理を実現するとともに、最新のストレージ技術を利用することができるのも特徴。具体的には、仮想化されたストレージ容量を柔軟に拡大・縮小できる「FlexVol」技術によるシンプロビジョニングやSnapshotによる高速バックアップ、仮想クローンによる高速な複製、重複排除機能、災害復旧機能などの先進機能を、既存の他社ストレージにも利用できるようになり、柔軟性と機能性に優れたデータ管理基盤を実現可能となる。

 特に、重複排除機能については、異機種混在環境においてもプライマリ環境から実行することができるため、セカンダリ環境やアーカイブ環境で重複排除を実行した場合に比べ、さらに余剰ストレージ容量を少なくし、運用にともなうストレージの消費電力、冷却コストを削減することができる。

 発表会では、導入事例として、米国のテレコム系顧客の事例を紹介。10数台のシステムによる1000TB、テープバックアップのストレージ環境を、Vシリーズクラスタと日立製ストレージアレイに切り替えることで、ストレージの利用効率が2倍に向上したという。また、以前は70%だったバックアップをSnapshotによる100%バックアップを実現したほか、6時間~1日かかっていたリカバリー時間を1時間に短縮、ストレージ管理者も3人から1人に削減できたとしている。

 Vシリーズのラインアップは、接続できるストレージの容量とパフォーマンスに応じて、最大1176TBまで管理可能な「V6000シリーズ」4モデル、最大840TBの「V3100シリーズ」2モデル、最大504TBの「V3000シリーズ」3モデルで構成される。価格は、「V6000シリーズ」が3065万6000円から、「V3100シリーズ」が1588万1000円から、「V3000シリーズ」が1120万7000円からとなっている。



URL
  ネットアップ株式会社
  http://www.netapp.com/jp/
  プレスリリース
  http://www.netapp.com/jp/company/news/news-rel-20080910-ja.html


( 唐沢 正和 )
2008/09/10 16:08

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