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ワールドワイドマーケティング担当バイスプレジデントのCraig Nunes氏
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3PAR Gen3 ASICの特長。各ASICに9個のDMAエンジン搭載
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Thin Built Inアーキテクチャによるゼロ検出機能を実装
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米3PARは9月10日、第3世代の仮想化ストレージアレイとして、「3PAR InServ T400/T800」を発表した。これらは第3世代の3PAR InSpireアーキテクチャをベースに設計され、最新の「3PAR Gen3 ASIC」を搭載している。
3PAR InServ T400/T800は、最新のストレージサーバー。ワールドワイドマーケティング担当バイスプレジデントのCraig Nunes氏は、「世界でもっともパワフルな仮想化アレイ」とアピールする。
最大の特長は、「Thin Built Inアーキテクチャ」を実装した3PAR Gen3 ASICを搭載している点。同アーキテクチャに実装された、未使用の割り当て容量を検出する機能「ゼロ検出」により、“Fat to Thin”のボリューム変換を実現する。「同技術をシリコンベースで組み込んだのは、業界で初めてとNunes氏は語る。
この検出機能により、ほかのストレージプラットフォームから3PAR InServ T400/T800へ移行する際に、ボリュームが割り当てられたにもかかわらず、未使用の領域を検出し、最適化を図ることが可能という。未使用の領域には、通常、0(ゼロ)のみが並ぶ。これを検出し、排除することができるため、ゼロ検出と呼んでいる。
「従来のボリュームの85~90%は、未使用である場合が多い。こうしたFatなストレージからゼロを排除して、Thinなストレージを実現できる。容量使用率を抑えることができるほか、稼働中のほかのワークロードに影響も与えないので、簡単にFatからThinの環境へ移行できる。それが3PAR Gen3 ASICの最大のメリット」(同氏)という。
これはストレージを移行する際のボリュームダイエットとして活用できる。現状はそれだけだが、今後の機能拡張では、3PAR InServ T400/T800に移行した後、運用が始まってからも常にゼロを排除できる技術を提供していく予定という。
そのほか3RAR ASICの特長として、ハイパフォーマンス性が挙げられる。従来より実現している3PAR InSpireアーキテクチャでは、8つのコントローラーそれぞれにASICを搭載するフルメッシュ型のメカニズムを採用している。これらがP2Pに接続することで、各コントローラー同士での大規模並列処理や、自動的に負荷分散されたクラスタが実現できるのだ。
3PAR InServ T400/T800では、このパフォーマンス性も向上している。Nunes氏によれば「各ASICには従来2個のDMA(Direct Memory Access)エンジンが搭載されていたが、今回、これを9個に拡張。コントロール間における通信の並列性を強化している」という。併せてプロトコルの最適化も図ることで、Storage Performance Council Benchmark(SPC-1)で22万4000以上のIOPS(Input Output Per Second)値をたたき出したという。これは「SPC-1のパフォーマンスで新記録となるもので、SPCも現時点で3PAR InServ T400/T800が最速の単一システムストレージアレイと公表している」(同氏)という。
まとめると3PAR InServ T400/T800では、容量使用率の向上とパフォーマンスの向上を果たしていることになる。Nunes氏は「これらは通常、相いれないもの。どちらかが向上すれば、もう片方が劣化するのが一般的なのだが、当社では両立に成功している」とアピール。今後も、Thin Built Inアーキテクチャに対応した、新機能を開発し、普及に努める意向を見せた。
■ URL
3PAR株式会社
http://www.3par.jp/
プレスリリース
http://www.3par.jp/news/_pr/20080910.html
( 川島 弘之 )
2008/09/11 12:51
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