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日本IBM、POWER6のコア数を従来の2倍搭載可能にしたサーバーなど


IBM Power 570
 日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、日本IBM)は10月8日、ミッドレンジサーバー「IBM Power 570」および「同 560」の新モデルを発表した。

 IBM Power 570は、4.2GHzのPOWER6を搭載する、中規模から大規模のトランザクション処理に優れたミッドレンジサーバー。新モデルとしては、従来モデルの2倍にあたる32コアまで搭載可能なモデルと、5GHzのPOWER6を16コア搭載するモデルを投入。プロセッサ性能を大幅に強化した。

 32コア搭載モデルでは、既存の16コア搭載モデルに対して、1W時あたりの性能を約1.6から1.85倍へ向上。低消費電力を特長とし、サーバー統合やアプリケーションサーバーとしての利用に最適という。

 これら新モデルでは、サーバーの部品に不具合が発生した際に稼働中のサーバーを停止させることなく、その部品を含む筐体を取り外して、修理・交換・再装着できる機能「ホットノード・リペア」に対応している。同機能は障害対応だけでなく、メモリ追加などの資産増強の場合にも利用できる。

 5GHzのPOWER6搭載モデルの最小構成価格が、2094万4200円から。

 またIBM Power 560でも、新モデルを投入する。同 560は、2ノードモジュラー式で省スペースを実現した製品で、価格性能比に優れているのが特長という。新モデルとしては、3.6GHzのデュアルコアPOWER6を搭載し、既存モデルに対して2倍の処理能力を持つ製品を投入する。中堅企業の基幹システムや、仮想化・管理機能に優れたAIXのアプリケーションサーバーやデータベースサーバーの統合に最適なモデルという。

 加えて、ソフトウェアでも新製品を発表。Power Systems向けOSの1つ、AIXのエンタープライズ向けオールインワン・パッケージ「AIX Enterprise Edition V6.1」を投入する。標準のAIX OSに、システム使用率を最適化する「Workload Partition Manager」と、サーバー環境を監視および管理するTivoliのシステム統合管理用ソフト「IBM Tivoli Monitoring」などを同梱した製品で、システム管理機能が強化されるという。例えば、システムのモニター、見やすいアプリケーションマップの作成、部門ごとのシステム資源のトラッキングといったことが可能になるとのこと。

 価格は13万2000円/CPUからで、10月8日から出荷を開始する。

 さらにPower Systemsサーバーの可用性を向上するソフト群で、いくつかの機能強化を図った。具体的には、障害を自動的に検知してシステムの切り替えを行うソフト「PowerHA for AIX V5.5」において、長距離のデータバックアップなど災害対策のための機能を強化。

 また、仮想化ソフト「PowerVM V2.1」において、複数の仮想サーバーが1つの物理インターフェイスを共有しながら相互に接続できる「N_Port ID Virtualization」機能や、テープドライブへの効率的なバックアップを可能にする「仮想テープ機能」を追加した。

 価格は、PowerHA for AIX V5.5が51万2000円/CPUから、PowerVM V2.1が4800円/CPUから。出荷開始はそれぞれ、11月21日、10月31日より。



URL
  日本アイ・ビー・エム株式会社
  http://www.ibm.com/jp/ja/
  プレスリリース
  http://www-06.ibm.com/jp/press/2008/10/0801.html

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( 川島 弘之 )
2008/10/08 12:25

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