Enterprise Watch
最新ニュース

レノボ、サーバー市場へ参入-中小企業向けに「ThinkServer」を発表

独自の“簡単機能”が訴求ポイント

ThinkServer TS100
 レノボ・ジャパン株式会社(以下、レノボ)は10月29日、同社初となるサーバー製品「ThinkServer」を投入し、全世界でサーバー市場へ参入すると発表した。ターゲットは中小規模企業(SMB)。さまざまなニーズに応えるため、x86サーバーのタワー型を3モデル、ラック型を2モデル用意した。

 ThinkServerは、安定したパフォーマンスを必要としながらも、サーバーを管理する専任スタッフが不在のSMB企業をターゲットとしたサーバー製品。米IBMからライセンス供与を受けたハードウェア技術の上に、レノボ独自の管理ソフトを搭載して製品化されている。

 タワー型としては、1wayの「TS100」、2wayの「TD100/TD100x」を用意。ラック型としては、1U・1wayの「RS110」、2U・2wayの「RD120」を用意。Core 2 Duo/Xeon 3000番台/Xeon 5000番台を搭載可能としている。

 対応OSは、Windows Server 2003/2008、Windows SBS 2003/2008、Windows Essential Business Server、Windows Server Datacenter 2003/2008、SUSE Linux。Red Hat Linuxについても検証済みとのことだが、まずはWindowsとSUSEの両OSで提供を始める。


ThinkServer TD100 TD100の内部 ThinkServer RS110/RD120

製品ポートフォリオ 製品の位置付け

マーケティング&広報本部長 執行役員の原田洋次氏
 特長としては「堅牢(けんろう)なテクノロジー」「インストールが容易」「管理が容易」「保守が容易」「周辺機器とソフトウェア」などを挙げているが、要約すると「中小企業でも、とにかく簡単に導入できる点」(マーケティング&広報本部長 執行役員の原田洋次氏)がアピールポイントとなる。

 それを実現するのが、レノボが独自開発した「EasyStartup」「EasyUpdate」「EasyManage」の3つのソフト。

 EasyStartupは、「サーバーを開梱したあと素早く稼働状態にすることができるもの」(同氏)で、OSのセットアップや初期設定をウィザードによって簡単に行うことが可能。原田氏は「専門知識のないわたしも使ってみたが、迷うことなくセットアップできた」と紹介している。

 EasyUpdateは、サーバーのファームウェアやハードウェアのドライバを、Webから自動的に更新するもので、単一のWebインターフェイスで定義したスケジュールに従って、サーバーを常に最新状態に保つことが可能になる。SMBユーザーにとっては、アップデートタスクを簡素化できるほか、重要な更新、推奨される更新、オプション更新を容易に区別できるのがメリット。

 EasyManageは、サーバー管理に使用するオールインワン管理ツールで、集中化されたコンソールからサーバーをモニタリングすることが可能。ローカル・リモートのアクセスに対応し、24時間365日のサポートを実現するという。SMBユーザーにとっては、サーバーの総合管理が可能なほか、アラート機能により問題を事前察知できるのがメリット。ThinkServer以外にも、IPMI 2.0準拠の他社製品も一括管理できるという。


EasyStartupの特長 EasyUpdateの特長 EasyManageの特長

サポート体系
 サポートも分かりやすく3種類にパッケージ化を行った。24時間365日の電話サポートを行う「ThinkPlus Priority Support」を基本とし、それに4時間対応のオンサイト保守を加えた「ThinkPlus Priority 4」、オンサイトのハードウェアインストールおよびオンライントレーニングを加えた「ThinkPlus Productivity」が提供される。

 2009年3月末出荷分に関しては、ThinkPlus Priority Supportの90日間無償提供も行う。原田氏は「SMBは最初の3カ月に苦労することが多いため」と無償提供の理由を述べ、SMBに対する厚いサポート姿勢を強調した。なお、実際のサポート作業はIBMが実施する。

 まずはSMBをターゲットに、現在のサーバー市場のボリュームセグメントである、2wayまでのタワー型・ラック型を投入することになるレノボ。IDC Japanの調べによると、2wayサーバーの市場では、ブレードサーバーが高成長を遂げつつあるという。今後、同セグメントに対しての取り組みにも注目が集まるが、ひとまずSMB向けに注力する姿勢を見せた原田氏は、「サーバー市場において当社は後発。失うものは何もないので積極的にシェアを取りに行きたい。まずはトップ3社の一角に食い込むことが目標だ」と意気込みをのぞかせた。



URL
  レノボ・ジャパン株式会社
  http://www.lenovo.com/jp/ja/
  ニュースリリース
  http://www.lenovo.com/news/jp/ja/2008/10/1029.html

関連記事
  ・ レノボがThinkPadラインアップを一新、全8モデル投入で2008年を飛躍の年へ(2008/07/16)
  ・ 今後の課題は中堅・中小向けビジネスやブランドの強化-レノボ(2007/11/22)


( 川島 弘之 )
2008/10/29 15:46

Enterprise Watch ホームページ
Copyright (c) 2008 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.