沖電気工業株式会社(OKI)と株式会社岡村製作所(オカムラ)は11月4日、次世代に向けた新しいコンセプトシーティング「Leopard(レオパード)」のコンセプトモデルを共同開発したと発表した。発売は2009年5月を予定している。
Leopardは、OKIのロボット技術「ロボットレッグ」をシーティングに応用し、世界で初めて筋肉のメカニズムを搭載したコンセプトシーティング。着座からリクライニング、そして立ち上がりまでの人の動きに合わせて、背座が追従する高いフィット感を実現している。
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新コンセプトシーティング「Leopard」
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OKIの「ロボットレッグ」
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オカムラ常務取締役マーケティング本部長の岩下博樹氏
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オカムラ常務取締役マーケティング本部長の岩下博樹氏は、「Leopardは、OKIが長年培ってきたメカトロニクス技術を駆使して開発したロボットレッグを、オフィスシーティングに応用することにより、新しい座り心地を追究したもの。開発にあたっては、母親がわが子をやさしく、しっかりと抱きかかえるような座り心地をイメージした。今回発表した製品はあくまでコンセプトモデルであり、実用に至るまでには、まだいくつかの改善点があるが、今後もOKIとのコラボレーションを図りながら商品化を目指していく」と述べた。
Leopardのシーティングに応用したロボットレッグは、人の骨格や筋肉のメカニズムを研究して、人間らしいバランスの良い跳躍・着地を実現したロボット技術。今回は、大腿~股関節周辺の筋肉の構造・特長を応用したメカニズムを、シーティングの座~背にかけて配置した。これにより、シーティングの座が人のひざの上、背が人の身体のようにしなやかに動作する。
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OKI常務取締役の浅井裕氏
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OKI常務取締役の浅井裕氏は、「当社では、これまでATMや券売機、現金処理機などにメカトロニクス技術を提供する一方で、匠の技やアスリートの能力など、人の身体の動きと仕組みを研究し、ロボット技術の開発も続けてきた。ロボットレッグもその一環として開発されたもので、実用化に向けてさまざまな可能性を検討している中で、オカムラの目指しているコンセプトシーティングへの応用が実現した。今後も当社のメカトロニクス技術をさらに先進的な商品に結びつけていきたい」と意欲を見せた。
Leopardは、人が中腰で待っているかのような独特の座の前傾スタイルをもち、着座することで座がしっとりと沈みながら人を後ろから包み込み、背がフィットするように動く。また、リクライニング姿勢時だけでなく、前傾姿勢時にも背座がフィット。立ち上がるために状態を前にずらすと、座が跳ね上がるように動作し、起立を自然にサポートする。これにより、従来のリクライニング方向のみに快適性を追求したメカニズムではなく、着座からリクライニング、前傾、立ち上がりまでフィットし続ける、まったく新しいメカニズムを実現した。
特に、リクライニング機能のメカニズムは、OKIのロボットレッグ開発技術とオカムラのシーティング開発技術のコラボレーションから生まれたもので、筋肉のメカニズムによる背もたれの自然なサポート感、柔らかい追従感を体感できる。このほか、Leopardには、オカムラが新たに開発したカーボンフレームや座のクッション形状、メッシュ工法などさまざまな技術が融合されている。
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Leopardのリクライニング機能
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身体の動きにシートが同期するシーティング
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■ URL
沖電気工業株式会社
http://www.oki.com/jp/
株式会社岡村製作所
http://www.okamura.co.jp/
プレスリリース
http://www.oki.com/jp/press/2008/11/z08097.html
( 唐沢 正和 )
2008/11/04 14:54
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