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NEC、6コアXeonを搭載したExpress5800サーバーなど投入

シリーズの再体系化でターゲットを明確に

第二コンピュータ事業本部 事業本部長の庄司信一氏

2つの製品ラインで事業領域を拡大
 日本電気株式会社(以下、NEC)は11月11日、IAサーバー「Express5800シリーズ」の製品ラインを強化・拡充すると発表した。シリーズ製品群を2つの方向性(ライン)に再体系化し、ターゲットを明確にする。

 Express5800シリーズは、1994年より市場に投入されたIAサーバー製品群の総称。スリムサーバーや水冷サーバーなど、日本のオフィスに設置しやすい“こだわり”製品を含め、さまざまなラインアップの増強がこれまで図られてきた。2007年には省電力ITプラットフォームへの取り組みとして「REAL IT COOL PROJECT」を策定し、さまざまな省電力技術を適用してきた。

 今回、同シリーズを、データセンター市場のニーズに応える「DataCenterLine」、作業エリアやオフィスなどの現場設置ニーズに応える「DataStationLine」の2つの製品ラインに分類。「これまでワイドレンジカバーということで品ぞろえをよくしようと努めてきたが、今後は2つの製品ラインに区分けすることで、考え方、方向性をより明確にする」(第二コンピュータ事業本部 事業本部長の庄司信一氏)という。

 DataCenterLineは、企業のサーバールームや大規模データセンター、中小ホスティング事業者などを主なターゲットにしている。特徴は、仮想化・省電力化・リモート管理に優れる点で、製品に応じてスケールアップに適した製品、スケールアウトに適した製品に分けられる。

 具体的には、高信頼のラック型「ftサーバ」、ブレードサーバーの「SIGMABLADE」、省電力ラックサーバーの「iモデル」、インターネットアプライアンスサーバーの「InterSec」などが含まれる。また、5月発表の省電力サーバー「ECO CENTER」や、9月発表の高性能・高スケーラビリティサーバー「スケーラブルHAサーバ」なども同ラインに配置される。

 さらに新製品として、6コアのXeon 7400番台を搭載した4wayラックサーバー「Express5800/R140a-4」、同じく4wayブレードサーバー「Express5800/B140a-T」を投入する。これらは従来モデルと比べて、最大30%処理性能を向上したのが特徴。いずれも11月26日より出荷開始で、価格は前者が98万円(税別)から、後者が99万7000円(同)から。

 加えてiモデルの新製品として、Core 2 Duo T9400搭載の1Uハーフサーバー「Express5800/iR110a-1H」も投入する。低消費電力機能「2Cステート機能」や高効率電源の採用により、待機電力の従来比約23%削減を実現。また、リモート制御可能なサーバー管理チップに、接続時のIPアドレス確認による不正アクセス防止機能を強化した「EXPRESSSCOPERエンジン(強化版)」を標準搭載することで強化を図っている。2009年1月より出荷開始で、価格は12万8000円(税別)から。

 同ラインでは今後、「高可用仮想基盤の提供や省電力SSDの搭載など、継続強化を予定している」(庄司氏)。


DataCenterLineの概要 【左】Express5800/B140a-T、【右】Express5800/iR110a-1H

 一方のDataStationLineは、オフィス、小規模事務所、店舗バックヤード、工場内などを主なターゲットとしている。特徴は、メンテナンスフリーの追求、設置環境性、カスタマイズ性などを追求することで、さまざまな顧客ニーズに対応している点。

 汎用性・コストパフォーマンスに優れたスタンダードタワーサーバーなど一般的な製品のほか、静音小型の「オフィスラックサーバ」、高信頼のタワー型「ftサーバー」、名刺はバスペースの静音サーバー「水冷式スリムサーバ」など、“こだわり”製品がラインアップされた。

 さらに新製品として長期給電、形状変更などのニーズに応える「カスタマイズサーバ」、および数人規模の事業者におけるファイルサーバーとして最適な「Express5800/110Ge Windows Home Serverバンドルモデル」を投入。いずれも11月26日より出荷開始で、価格は前者が個別見積もり、後者が5万8000円(税別)から。

 同ラインでは今後、「カスタマイズメニューの充実化を図るとともに、運用面でメンテナンスフリー化をさらに推進していく」(庄司氏)。

 なお、今回の施策に伴い、Express5800シリーズのロゴも新デザインに刷新。以前より丸みを帯びたものへと変更した。庄司氏によれば「丸みは“安心、柔軟、快適”を示し、緑色と青色で環境へのこだわりを表している」とのこと。NECでは、今後も柔軟・安心・快適を実現するITプラットフォームビジョン「REAL IT PLATFORM」に基づき、Express5800シリーズの強化を行っていく方針。


DataStationLineの概要 【左】Express5800/110Ge Windows Home Serverバンドルモデル、【右】Express5800/110Ge-S(水冷) ロゴも刷新


URL
  日本電気株式会社
  http://www.nec.co.jp/
  プレスリリース
  http://www.nec.co.jp/press/ja/0811/1103.html
  http://www.nec.co.jp/press/ja/0811/1104.html


( 川島 弘之 )
2008/11/11 17:43

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