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日本AMD、45nmクアッドコアOpteron「Shanghai」を発表


米AMDサーバー・ワークステーション部門 ビジネス・デベロップメント ディレクターのジョン・フル-氏

45nmクアッドコアOpteronの特長
 日本AMD株式会社は11月13日、開発コード名「Shanghai」と呼ばれていた45nmプロセスのサーバー向けプロセッサ「クアッドコアAMD Opteronプロセッサ(以下、45nmクアッドコアOpteron)」を発表した。

 今回発表された45nmクアッドコアOpteronについて、米AMDサーバー・ワークステーション部門 ビジネス・デベロップメント ディレクターのジョン・フルー氏は、「Shanghaiは既存プラットフォームとの互換性を維持しており、顧客の既存資産を生かしたまま性能向上が図れる製品。現行製品のクアッドコアOpteron(開発コード名:Barcelona)の機能そのままに、DDR2-800メモリのサポートやL3キャッシュの拡張、HyperTransport 3.0のサポートのほか、仮想化関連ではEnhanced RVI(Rapid Virtualization Indexing)などの強化が図られている」と紹介。また、アイドル時にコアを“Halt”ステートにすることで消費電力を低減するAMD Smart Fetchテクノロジーにより、最大21%の電力削減を実現するなど、ワット性能をさらに向上させている。

 最大の特長は、同社初の45nmプロセスで製造された点。フルー氏は、「製造プロセスに液浸リソグラフィを採用したほか、第4世代歪みシリコンにより、高い歩留まりと高効率の生産を実現した」と説明。新しい製造プロセスは、今回の45nmでも有効だが、32nmプロセスのプロセッサ製造で必須になる技術とし、「最新の技術をいち早く実用化することで、次世代製品へより容易な移行を実現する」と述べた。


Barcelonaで実現している機能を継承 45nmクアッドコアOpteronで搭載された新機能

各サーバーベンダーも45nmクアッドコアOpteronへの対応を表明
 また、Barcelonaで設計上の不具合により出荷が大きく遅れたことに触れ、「いい製品ではあったが市場投入が遅れてしまった。この経験を生かし、45nmクアッドコアOpteronではスケジュールを前倒しての市場投入を実現した」と説明。特にOEMベンダーと密な連携を行っている点を強調し、「製品発表の段階で、多くのベンダーが45nmクアッドコアOpteron対応製品を発表していただいた」と述べた。

 45nmクアッドコアOpteronは、2ソケットシステム向けの2000シリーズと8ソケットシステムまでに対応した8000シリーズが用意されている。1000個受注時の価格は、Opteron 2376(2.3GHz)が377ドル、Opteron 2378(2.4GHz)が523ドル、Opteron 2380(2.5GHz)が698ドル、Opteron 2382(2.6GHz)が873ドル、Opteron 2384(2.7GHz)が989ドル。Opteron 8378(2.4GHz)が1165ドル、Opteron 8380(2.5GHz)が1514ドル、Opteron 8382(2.6GHz)が1865ドル、Opteron 8384(2.7GHz)が2149ドル。


45nmクアッドコアOpteronでは、前回の反省を踏まえスケジュールの前倒しを実現 Barcelonaと比べて、45nmクアッドコアOpteronでは同じ価格で性能を向上

日本AMD 代表取締役社長の吉沢俊介氏
 発表会には、10月に同社代表取締役社長に就任した吉沢俊介氏も出席。「今回の製品は非常に自信のあるもの。既存のプラットフォームにそのまま載せることができ、消費電力を低減しながら性能を向上できる。これにより、企業は投資を抑えながらもグリーンITを実現することができる」と説明。「AMDはこれまでも付加価値の高い製品を投入することで、競争原理を生かしてきた。今後もおもしろい話題を提供し続けていきたい」と、今後の製品に対しても期待するよう呼びかけた。


XeonとのJava性能比較。4Wayサーバーではコア数の違いがあっても45nmクアッドコアOpteronの性能が上回っている HPC性能比較でもXeonと比べて性能が上回っている

 今後のスケジュールについては、6コアプロセッサの「Istanbul(開発コード名)」を2009年に投入。プラットフォームでは、ATIの技術を活用した「Fiorano(開発コード名)」を2009年に投入する予定。Fioranoでも互換性を維持するとしている。

 コンシューマ向け製品では、2009年第1四半期に「Phenom II」のブランド名で45nmクアッドコアプロセッサを出荷することもアナウンスされた。



URL
  日本AMD株式会社
  http://www.amd.co.jp/


( 福浦 一広 )
2008/11/13 14:01

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