インテル株式会社は11月18日、ハイエンドCPU「インテル Core i7」を発表した。開発コードネーム「Nehalem」と呼ばれていたCPUファミリーの最初の製品で、発表に先立ち、11月16日0時には、東京・秋葉原で発売イベントも開催している。
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Core i7
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Core i7のロゴ
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インテルの吉田和正社長
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高性能が必要な理由を、「そこにユーザーニーズがあるから」と吉田社長は説明した
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インテルの吉田和正社長は、CPUの性能向上の必要性を次のように説明した。「本日発表する新しいCPUのCore i7は、『その速さ、ビッグバン。』をキャッチフレーズとする、これまで開発コードネーム『Nehalem』と呼んでいた新しいマイクロコアアーキテクチャのCPUとなる。ユーザーの高性能化に対するニーズは強く、調査を行うと、マルチタスクの同時実行、レスポンスタイムの短縮を実現するシステム応答性、処理速度の向上という、PCの性能向上を求める要求3点で83%にのぼる。インテルでは、これまで続けてきた微細化とマイクロアーキテクチャの進化を交互に実現するTick Tock戦略を継続し、アプリケーションなどほかの分野の企業とともに、新しい世界を実現するための性能向上を続けていく」。
Core i7は、消費電力を上げることなく、PCによるビデオ編集、リアルなゲーム体験、および通常のインターネット利用やコンピュータ処理などの動作速度を最大40% 向上させる。性能向上を実現する新しい技術として、大容量のシステム帯域幅、先進のパワー・マネジメント機能、インテル ターボ・ブースト・テクノロジー、インテル ハイパー・スレッディング・テクノロジー(HT)を搭載している。
インテルQuickPathインターコネクト技術により、従来のExtreme Edition製品のプラットフォームと比較し、2倍以上のメモリ帯域幅と、ビット/バイト単位での情報のCPU入出力の高速化を実現した。
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微細化とマイクロアーキテクチャの進化を交互に行うTick Tock戦略は今後も継続
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Core i7のキャッチフレーズは、「その速さ、ビッグバン。」
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性能向上を導く新しい技術とその特徴
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Core i7で採用されているマイクロアーキテクチャ
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インテルのターボ・ブースト・テクノロジー
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Core i7は、消費電力を上げることなく、PCによるビデオ編集、リアルなゲーム体験、および通常のインターネット利用やコンピューター処理などの動作速度を最大40%向上させる。性能向上を実現する新しい技術として、大容量のシステム帯域幅、先進のパワーマネジメント機能、インテル ターボ・ブースト・テクノロジー、インテル ハイパー・スレッディング・テクノロジー(HT)を搭載している。
インテルQuickPathインターコネクト技術により、従来のExtreme Edition製品のプラットフォームと比較し、2倍以上のメモリ帯域幅と、ビット/バイト単位での情報のCPU入出力の高速化を実現した。
新技術のうち、インテル独自のターボ・ブースト・テクノロジーは、処理の負荷に応じて性能を向上させる技術。CPU上に、電力制御ユニットと45nm High-kプロセス技術などに基づいた、新しい「Power Gateトランジスタ」を実現。これらの機能を使いながら、4つの独立したコアのうち、1つ以上のコア・クロック速度を自動的に調整し、消費電力を増加させることなく、単一スレッドあるいはマルチスレッドのアプリケーションの処理速度を向上させる。
これまでノートPC向けCPUで実現していた最新の省電力技術によるスリープ状態への移行を、デスクトップPCでも可能にする省電力対応も実現している。パワーマネージメント機能は、電源スイッチを集積することで、各コア単位で電源のオン/オフを行うことを可能とした。各コアはコア単位で消費電力をコントロールすることが可能で、利用するアプリケーションに合わせて段階的、動的に電源管理を行える。
また、HTにより、1つのコアで2つの命令を一度に効率良く実行し、CPU全体で複数のスレッド処理を同時に行うことが可能となった。その結果、4つのコアを搭載するCore i7は、同時に8スレッドを処理できる。
現段階ではビデオの編集、3Dゲームソフトなどのアプリケーションに最適で、ゲームの性能評価で定評のある一般的なベンチマーク「DMark Vantage」のCPU physicsおよびAIテストの双方で、従来のインテルの高性能CPUと比較し、40%以上高速になったとのこと。
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インテル ハイパー・スレッディング・テクノロジー
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新CPUの利用により、ビデオの作成、編集作業がさらに速やかに
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ゲームやデジタルコンテンツ製作などの高度なスレッド処理が求められるアプリケーションで性能を発揮する
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インテル インテル技術本部の及川芳雄本部長
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今後の計画では、「日本でのアプリケーション開発環境の提供は、ゲーム、ビデオ編集などではすでに提供を開始しているが、今後メインストリームのCPUにこのマイクロアーキテクチャが搭載されていくのに向け、順次アプリケーション開発環境の提供も進めていく予定」(インテル インテル技術本部の及川芳雄本部長)だという。
出荷計画としては、すでにCore i7およびインテルX58 Expressチップセット搭載のデスクトップ向けマザーボード「DX58SO」は販売を開始。今後、同じマイクロアーキテクチャのサーバー版およびモバイル版が製品化される予定となっている。
今回発表された製品の詳細とOEM向け価格次の通り。最上位のCore i7 965 Extreme Editionは、動作周波数が3.20GHz、QPIスピードが6.4GT/sec、L3キャッシュが8MB、TDPが130Wで、1000個受注時の価格は10万2590円。
Core i7 940は、2.93GHz、QPIスピードが4.8GT/sec、L3キャッシュが8MB、TDPが130Wで、1000個受注時の価格は5万7720円。
Core i7 920は、2.66GHz、QPIスピードが4.8GT/sec、L3キャッシュが8MB、TDPが130Wで、1000個受注時の価格は2万9170円。
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主要なショップブランドメーカーが対応を表明
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吉田和正社長自作のCore i7搭載機も展示されていた
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■ URL
インテル株式会社
http://www.intel.co.jp/
( 三浦 優子 )
2008/11/18 15:38
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