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EMC、SSD対応・自動減量機能など「Celerraシリーズ」を大幅に機能強化


左から、Celerra NS-960、Celerra NS-480、Celerra NS-120、Celerra NS-G8
 EMCジャパン株式会社は2月25日、統合ネットワークストレージプラットフォーム「Celerraシリーズ」の新製品として、「Celerra NS-120」「Celerra NS-480」を同日より、「Celerra NS-960」およびゲートウェイ製品「Celerra NS-G8」を3月2日より販売開始すると発表した。最小構成の予想実勢価格は198万円から。

 Celerraシリーズは、NAS、iSCSIおよびファイバチャネルに対応した柔軟性に優れた設計を採用し、分散するファイルサーバーやストレージを統合することで、ITシステムの効率的な運用管理を実現する。今回発表した新製品では、使用頻度の低いファイルを自動分類して圧縮・重複除外を行う「自動減量機能」の搭載、フラッシュドライブ(SSD)への対応、容量拡張など、大幅な機能強化を図っている。

 執行役員マーケティング本部長の高橋俊之氏は、「新たなCelerraシリーズには、これまで開発してきた新機軸・新機能を一気に投入した。特に自動減量機能では、従来と同じデータ量を、従来よりも少ないディスク容量に格納することが可能となる。これら新機能によって、ストレージの利用効率が飛躍的に向上するとともに、導入コストやランニングコスト、消費電力の削減も実現でき、厳しい経済環境の中で企業のストレージ導入担当者に強くアピールできる製品になった」と自信を見せた。


Celerraファミリー Celerraシリーズの新機能 執行役員マーケティング本部長の高橋俊之氏

ファイルを自動分類して減量
 新製品の大きな特徴である「自動減量機能」では、自動化されたポリシーにより、使用頻度が少ないファイルを圧縮した後、保存されている重複ファイルを削除する。冗長データを排除することで、ストレージ効率を最大化し、ファイルシステムの容量を最大50%まで削減できるという。マーケティング本部プロダクト・マーケティング部の雨堤政昭氏は、「データを減量するテクノロジーはすでにいくつか存在するが、当社では、ファイル共有環境の本番サービスへの影響を少なくしながら、いかにデータを減量できるかを目指した。最近使われている固定ブロックおよび可変ブロックの重複除外では、リソース消費が高い割にデータ削減効果は20~28%程度。そこで、リソース消費の少ないファイル・レベルの重複除外と、ファイル共有環境でデータ削減効果の高い圧縮技術を組み合わせることにより、サービス運用に影響を与えることなく最大50%のデータ削減を可能にした」としている。

 この自動減量機能は、管理ツール「Celerra Manager」に統合され、シングルクリックの簡単操作で直感的に利用可能となっている。従来のCelerraユーザーも追加費用なしで利用することができるため、既存投資を無駄にすることなく有効活用できる。


コンプライアンス対応のファイル保管も対応
 また、拡張性の向上として、フラッシュメモリにデータを保存する最新テクノロジーであるSSDを搭載。従来のファイバチャネルに比べて最大8倍の処理性能向上を実現する。SSDは、ミリ秒未満で応答し、IOPSあたりの電力消費量を98%削減できる。さらに、従来システムの2倍に相当する最大960台のディスクドライブを搭載可能となった。最新の「EMC CLARiX CX4」ミッドレンジストレージテクノロジーと組み合わせることで、従来製品に比べて最大2倍のパフォーマンスを実現する。

 このほか、情報ガバナンスを目的とし、ディスクベースのWORM(Write Once Read Many)機能を提供。ファイルレベルでの保存期間設定によるコンプライアンス対応が可能となり、ロック状態にあるファイルの削減を防止することができる。また、VMware環境向けの管理ツールとして、容易かつ迅速に仮想デスクトップのプロビジョニングを実行できる「VMware View Storage Integration」、フェイルバック対応による自動災害復旧を可能にする「VMware Site Recovery Manager」を提供する。



URL
  EMCジャパン株式会社
  http://japan.emc.com/
  ニュースリリース
  http://japan.emc.com/about/news/press/japan/2009/20090225-1.htm


( 唐沢 正和 )
2009/02/25 16:49

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