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デル、仮想化・省電力・管理機能を大幅に強化した次世代サーバー「11G PowerEdge」


11G PowerEdgeの5製品を発表

11G PowerEdgeでは、メンテナンス性の向上のほか、仮想化・省電力・運用管理のシンプル化を開発の方針に設定
 デル株式会社は4月1日、最新のXeonを搭載したサーバー、ワークステーション、ストレージ13製品を発表した。同日より販売を開始する。

 今回発表されたのは、ラックマウント型サーバー「PowerEdge R610」「PowerEdge R710」、タワー型サーバー「PowerEdge T610」、ブレードサーバー「PowerEdge M610」「PowerEdge M710」、タワー型ワークステーション「Precision T3500」「Precision T5500」「Precision T7500」、iSCSI SAN「EqualLogic PS6000シリーズ」5製品。

 各製品は、3月30日に米国で発表されたXeon 5500番台(開発コード名:Nehalem-EP)を搭載。Xeon 5400番台と比べて、メモリ帯域幅を3倍にするなど、処理能力を大幅に向上。また、アイドル時とピーク時の消費電力を低減することで、システムレベルでの消費電力性能を向上させている。そのほか、仮想マシンの実装数や仮想マシンのレスポンスタイムなど、仮想化性能の向上も行われている。


PowerEdge R610 PowerEdge R710

PowerEdge T610 フルハイトブレードのPowerEdge M710とハーフハイトブレードのPowerEdge M610

データセンターで効率的に管理できるようメンテナンスの効率化を実現

従来製品との比較

ブレードサーバーではシャーシ資産の継承と柔軟な構成も実現
 第11世代PowerEdge(11G PowerEdge)は、全製品においてメンテナンス効率向上のためのデザインを採用。マザーボードデザインを共通化することで、アップデートをシンプルにしたり、メンテナンス作業を共通化したりといった効率性の向上を実現。また、フロントデザインやコネクタ類の配置なども共通化することで、データセンターでサーバー集約時の作業効率を向上できるようになっている。

 仮想化への対応も強化。仮想化時に必要となるメモリ搭載量も、従来機(PowerEdge 2950 III)ではFB-DIMMスロットは8つだったが、PowerEdge R710ではDDR3メモリスロットは18スロット(PowerEdge R610では12スロット)まで拡充。PowerEdge R710で最大144GB、PowerEdge R610で最大96GBのメモリを搭載できる。また、標準でGigabit Ethernetポートを4つ標準搭載(従来機は標準で2つ)するなど、ネットワーク側の接続性も大幅に強化されている。そのほか、従来一部機種のみで対応していた内部USB&SDスロットを全機種で標準搭載。これにより、VMware ESXiやXenServerといったメモリブート対応のハイパーバイザに標準で対応可能となっている。

 省電力性も11G PowerEdgeで強化されている。最新のXeon 5500番台の採用により、自律的な省電力機能を利用することが可能。また、従来機と比べて60%省電力化したファンや、AC/DC電力変換効率を90%以上まで向上するなど、ハードウェア全体での省電力化も実現している。

 運用管理のシンプル化も11G PowerEdgeの特長。デバイスドライバやファームウェア、各種ユーティリティをライザカードに組み込むことで、サーバーの初期設定で複数のメディアやツールを用意することなく、メディアレスでサーバーの展開が可能となっている。また、デル以外のサーバーなど異機種混在環境で利用可能な統合管理ツール「Dell Management Console」を無償で提供。シマンテックの管理プラットフォームをベースに開発されているので、資産管理やセキュリティ管理などをプラグインとして追加することも可能。

 価格は、PowerEdge R610が34万8600円から、PowerEdge R710が34万8600円から、PowerEdge T610が31万8150円から、PowerEdge M610が23万6460円から、PowerEdge M710が27万480円から。


執行役員システムズ&ソリューション統括本部長の町田栄作氏
 同社執行役員システムズ&ソリューション統括本部長の町田栄作氏は、「今回発表したサーバー製品は、フルモデルチェンジといっていいもの。メモリの搭載量を最大2.2倍まで拡張したり、I/O性能を向上したり、消費電力を最大60%削減したり、組み込み型のマネジメント機能を搭載したりと、顧客が求めるデザインになっている。また、ワークステーションも、Xeon 5500番台を搭載したことで、パフォーマンスを大幅に向上。すでに35社のISVパートナーと90のアプリケーションの検証・認証をいただいている。ストレージに関しても、iSCSIで国内出荷ナンバーワンのEqualLogicの新シリーズを投入。メモリ搭載量を倍増したり、書き込みパフォーマンスを91%高速化するなど、仮想環境での利用のほか、OLAPなどで利用する場合にも高いパフォーマンスを発揮できる製品となっている」と、各製品とも大幅な機能強化が図られていることを強調した。

 ワークステーションの価格は、Precision T3500が16万1595円から、Precision T5500が19万6770円から、Precision T7500が22万5120円から。iSCSI SANのEqualLogic PS6000シリーズは361万950円から。

 説明会には、インテル株式会社 営業本部 市場開発マネージャーの矢嶋哲郎氏も出席。「2004年から2005年にかけて導入されたサーバーの多くがシングルコア世代のプロセッサを搭載したもの。今回発表したPowerEdgeのように、最新のマルチコアプロセッサを搭載したサーバーを利用することで、性能の向上はもちろん、省電力化、仮想化対応などのメリットがあるので、既存サーバーの延長利用ではなく、最新サーバーへの更新に期待している」とした。


代表取締役社長のジム・メリット氏
 同社代表取締役社長のジム・メリット氏は、「経済環境が厳しい中、お客さまの多くが、コストはより低く、そしてROIをよりよくしたいというニーズが高まっている。こうしたニーズは、デルがこれまで進めてきた業界標準という戦略にマッチするもの。独自仕様ではなく業界標準にこだわることで、常に効率というものを追求してきた。今回、発表したのは、Efficient Enterprise(効率的なエンタープライズ)を加速する製品群。管理機能の向上により、それにかかわる人件費を削減したり、サービス展開の時間を短縮化したり、調達・運用・保守のコストを削減したりすることができる。古い世代のサーバーを使い続けるよりも最新のサーバーを使うことで、運用コストが下がる点などを理解していただくことで販売につなげたい」と、企業ニーズに合致する製品に仕上がっている点を強調した。



URL
  デル株式会社
  http://www.dell.com/jp/
  プレスリリース
  http://www1.jp.dell.com/content/topics/segtopic.aspx/pressoffice/2009/090401?c=jp&l=ja&s=corp


( 福浦 一広 )
2009/04/01 16:07

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