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シスコが次世代データセンターソリューション「Unified Computing System」発表

最大384GBのメモリを搭載できるXeonブレードサーバーなどで構成

UCSの特長
 シスコシステムズ合同会社は4月7日、x86プロセッサや仮想化など業界標準技術を採用した次世代のデータセンターソリューション「Unified Computing System(以下、UCS)」を発表した。パートナーに対して第2四半期より出荷を開始。エンドユーザーには2009年後半に提供を開始する予定。

 UCSは、同社のネットワーク技術をベースに、サーバーやストレージアクセスなどをひとつのシステムとして提供するもので、同社初のサーバー製品が含まれているのが特長。UCSの統合管理機能を搭載した「UCS Fabric Interconnect」、複数のブレード形状をサポートしたサーバーブレード「UCS Blade Server」などで構成されている。

 同社初のサーバーとなるUCS Blade Serverは、Xeon 5500番台を採用した製品で、同社独自の拡張メモリテクノロジーにより、ブレードあたり最大384GBのメモリを搭載できるのが特長。また、システム化して提供されるため、余分な配線やコンポーネントが削減できるのも利点として挙げられている。FCoEベースのUnified Fabricに対応するなど、次世代ネットワーク環境に対応している点も特長となっている。そのほか、VMwareに対応した仮想ネットワークスイッチ「Cisco Nexus 1000V」なども組み合わせることが可能。


UCSの構成要素 組み込み型の統合管理機能を用意 4スロットを1スロットとして扱う独自の拡張メモリテクノロジーを採用

米Cisco Systemsサーバ・アクセス・バーチャライゼーション ビジネスユニット シニアディレクターのスコット・ローズ氏
 米Cisco Systemsサーバ・アクセス・バーチャライゼーション ビジネスユニット シニアディレクターのスコット・ローズ氏は、「既存のサーバーはポイントソリューションとなっている。そのため、管理などが複雑化してしまっている。UCSは、管理機能を組み込み型にすることで、さまざまな管理を一元化することが可能。また、IDをベースに管理を行うため、物理的なハードウェアの属性に縛られることなく、分離した形でシステムを管理することが可能。これにより、サーバーはシームレスにシステム間を移動できるので、ダイナミックなプロビジョニングも実現する。また拡張性を考慮した設計となっているので、初期導入時に一度設定するだけで、自由にコンポーネントを追加できるのも特長」と、メリットを紹介した。


 米国出張中の同社社長 兼 最高経営責任者のエザード・J・C・オーバービーク氏は、テレプレゼンスシステムを利用して発表会に参加。「今回発表したUCSの市場機会は200億ドル規模とみており、そのうち日本市場が50億ドル規模とみている。日本でのUCS発表は、ワールドワイドでフェーズ1となるもの」と、同社として日本市場を重視している姿勢を強調。「UCSの中核技術となる仮想化は、データセンターにプロアクティブなシステム能力を利用できる環境を用意した。この仮想化技術をベースに、各パートナーとともに展開していく」と、1社だけでUCSを完成させる考えがないことも強調した。


テレプレゼンスシステムを利用して参加した、同社社長 兼 最高経営責任者のエザード・J・C・オーバービーク氏 発表会には、インテル、マイクロソフト、レッドハット、EMC、ネットアップ、ヴイエムウェア、アクセンチュアの各社から代表が出席


URL
  シスコシステムズ合同会社
  http://www.cisco.com/jp/

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( 福浦 一広 )
2009/04/07 13:47

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