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日本HP、x86サーバーの新世代機11モデルを一斉発表-Xeon 5500を搭載

消費電力削減や管理機能強化も実現、環境移行支援サービスも提供

11モデルの位置付け

新モデルのうち、2Uラック型の「DL380 G6」(左)と1Uラック型の「DL360 G6」

執行役員 エンタープライズ ストレージ・サーバ事業統括 松本芳武氏
 日本ヒューレット・パッカード株式会社(以下、日本HP)は4月9日、x86サーバーのラインアップを一新し、「HP ProLiant Generation 6(G6)」として提供すると発表した。最新のXeon 5500番台を採用し、性能の向上、消費電力の削減などを実現している点が特徴で、タワー型、ラック型、ブレードを含めた全11モデルを、5月下旬から順次出荷開始する。

 日本HPでは年初より、「価格の透明性を高め、ベストな製品を選択することで初めてコストの削減ができる」(執行役員 エンタープライズ ストレージ・サーバ事業統括 松本芳武氏)という戦略のもとで製品やサービスをリリースしてきた。しかし松本氏は、「経済環境が回復してきた暁には、今よりもいいポジションでのビジネス推進のために、競争力を高めたいニーズがある」という点を指摘。「当社では、テクノロジーイノベーションでお客さまの競争力獲得を支援する」(松本氏)との立場から、新製品を投入したと説明する。

 製品自体にも特徴があるが、今回日本HPが再三強調したのは、11モデルを一挙に投入したことだ。Xeon 5500番台の搭載製品は、正式にCPUが発表された3月30日(米国時間、日本での発表は4月6日)以降、数多くのベンダーから発表されているが、主要ベンダーの中でも広範なモデルを発表したのは、日本HPだけ。この点を指摘したエンタープライズストレージ・サーバ事業統括 ISSビジネス本部 本部長の橘一徳氏は、「ポートフォリオの広さが最大の競争優位で、TCO削減、実装密度、拡張性、コストパフォーマンスといったすべての軸において、フィットする製品群を投入できたと確信している。さらに、今後も製品を追加し、夏までには業界随一のポートフォリオを完成させられる」と述べた。

 個々の製品は、Xeon 5500番台の採用でパフォーマンスが向上しており、例えば主力製品の「ML/DL300 G6シリーズ」では、前世代「Generation 5(G5)」と比べて、TPC-C、SAP SD、VMware VMmarkといった主要ベンチマークで、すべて2倍以上のパフォーマンスを実現。さらに、「運用管理コストの中で電力コストを占める割合が高まっており、継続的に低減させることが課題になっている」(橘氏)ことを踏まえて、省電力化を推進した。具体的には、各コンポーネントの省電力化と、80Plus GOLD/SILVERなどを取得した高効率電源の採用により、2Wayラック型の「DL380 G6」では、前世代と比べて高負荷時で約27%、アイドル時で約45%、消費電力を抑えられるという。


DL/ML100 G6シリーズを中心に管理機能が強化された

サービスのラインアップも拡充し、リスク精査、移行・構築の支援を行う
 また、特に仮想化で重要になるメモリ容量、ディスク容量も全般的に搭載量を向上。加えて、管理性能が強化されているのも特筆すべき点で、エントリー製品の「DL/ML100 G6シリーズ」では、遠隔管理機能を提供する内蔵プロセッサ「Lights-Out 100i」の搭載、「HP System Insight Manager」などの管理ツールへの対応などにより、大幅に管理性が向上している。このほかDL/ML300 G6シリーズやブレードサーバーでも、電力管理機能を強化した。

 一方、製品の性能を向上させるだけでなく、「システムやデータセンターの統合が加速する中で、移行時のリスクや、どのように構築すればいいか、といった課題にお客さまは直面される。専門家の支援でリスクを低減したい」(橘氏)との立場から、リスク精査、構築支援の両サービス分野のラインアップを強化。P2P(Physical to Physical)、P2V(Physical to Virtual)、ファシリティ移行の各分野について、オリエンテーションやアセスメントのサービスを、またP2PとP2Vでは構築支援サービスを用意している。サービスの提供はハードウェア新モデルの提供に先立ち、4月9日から開始。一部のサービスについては、6月末までの割り引きキャンペーンも実施するとした。


エンタープライズストレージ・サーバ事業統括 ISSビジネス本部 本部長の橘一徳氏
 「コスト削減、生産性向上を図る機能を備えたHP ProLiant G6とサービスを組み合わせて、移行を推進するお客さまを支援したい。1月に発表した、x86サーバーの国内シェア30%、ブレードサーバーシェアの50%を獲得するための戦略商品として位置付けており、パートナーと協調して、ビジネスを進めていく」(橘氏)。



URL
  日本ヒューレット・パッカード株式会社
  http://www.hp.com/jp/
  ニュースリリース
  http://h50146.www5.hp.com/info/newsroom/pr/fy2009/fy09-088.html

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( 石井 一志 )
2009/04/09 17:08

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