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NTT、高品質の配信サービスを実現するMPLSマルチキャスト技術を開発
NTT ネットワークサービスシステム研究所 主幹研究員 漆谷重雄氏
日本電信電話株式会社は10月20日、米Motololaと共同で、世界に先駆けて「マルチキャストMPLSプロトコル」を考案し、同プロトコルを実現させるルータソフトウェアを開発したと発表した。すでにIETF(国際標準化機関)へ提案中で、正式なWork Itemとしての昇格がほぼ決まっているとのこと。
マルチキャストMPLSプロトコルは、従来のMPLS(Multi-Protocol Label Switching、あて先IPアドレスを見る代わりに「ラベル」と呼ばれる目印のみを見てパケットの転送を行う技術)をマルチキャスト対応に拡張したもの。同プロトコルを用いることにより、既存のIPマルチキャストでは実現できなかった、高品質・高信頼のマルチキャスト型配信サービスやインタラクティブマルチメディアコミュニケーションサービスを提供することが可能という。
解説を行った同社のネットワークサービスシステム研究所 主幹研究員、漆谷重雄氏によれば、同プロトコルの特徴として、1)通信品質保証機能、2)マルチキャストTE機能、3)マルチキャストツリー変更機能、4)ネットワーク使用状況と連動した経路計算機能、の4つの技術が主に利用されている。1)でマルチキャスト経路の属性(帯域、遅延時間など)を管理・制御し、特定のノードからの通信がほかのノードに影響を与えることを防ぎ、2)では送信側ルータでマルチキャスト経路を指定し、特定の経路にデータが集中することをを防ぐ。また3)により、マルチキャストツリーを発信側、受信側の双方から柔軟に変更するメカニズムを装備している。
なお、今回の機能は既存ルータのソフトウェア拡張という形になるため、ソフトウェアのリプレースのみで、ルータへのマルチキャストMPLSの実装が可能になるという。
通信品質保証機能
マルチキャストTE機能
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URL
日本電信電話株式会社
http://www.ntt.co.jp/
ニュースリリース
http://www.ntt.co.jp/news/
( 石井 一志 )
2003/10/20 17:38
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