|
ワイヤレスコントローラ「WL2000シリーズ」
|
|
アクセスポイント「WL1200シリーズ」
|
|
不正なアクセスポイント(赤丸で囲まれたもの)を地図上に表示した状態
|
日本電気株式会社(以下、NEC)は10月29日、運用管理機能、セキュリティ機能などを強化した、企業向け無線LANソリューションを発表した。11月よりNECアメリカが北米で販売を開始、その後順次シンガポール、台湾、韓国などアジア・太平洋地域に販売を拡大するとし、日本での出荷開始は11月28日からの予定。
このソリューションは、ワイヤレスコントローラ「WL2000シリーズ」と、アクセスポイント「WL1200シリーズ」、管理ソフトウェアなどより構成され、米Airespace社との協業により製品化が行われた。特徴としては、1)無線LAN環境の構築・運用管理が容易、2)高いセキュリティ機能、3)ロードバランスなどによる安定稼働の3つがあげられる。
1つ目の構築・運用管理面では、IEEE 802.11a/b/gの3方式に対応、WiFi認証(11a/bのみ)を取得しているため、状況に応じた無線LAN方式が選択可能。構築に際しては無線の自動最適化機能や、アクセスポイントの適切な配置を可能にするエリアデザイン機能などを持ち、運用に際しては、電波の強さを自動的に調整する機能や、アクセスポイントの一括管理、周辺電波のモニタ機能などで管理者をサポートする。
セキュリティ機能では、WEPによる暗号化はもちろん、IPSec暗号化(要オプション)、IEEE 802.1xのユーザー認証を含むWPAをサポート。また、セキュリティホールになりうる、管理者の知らないうちに設置されてしまった不正なアクセスポイントを検知し、あらかじめ地図を登録しておけば具体的な位置を教えてくれるほか、正規アクセスポイントよりジャミング信号を送り、不正アクセスポイントを使用不能にする機能も搭載している。
通信を安定させる仕組みとしては、ロードバランスとフォールトトレランスの両機能を持つ。特定のアクセスポイントの負荷が一定以上になった場合にはロードバランス機能が働き、通信状態に余裕のあるほかのアクセスポイントに、自動で通信を引き継がせる。またフォールトトレランス機能により、アクセスポイントが故障した場合でも、他のアクセスポイントに通信を切り替えて通信を持続させることが可能になり、可用性が向上した。
また今後の展開として、VoIPにも対応する。無線LANで音声通信を行うための無線IP電話子機を、2004年の春をめどに国内で販売するとしており、NECの提供するSIPサーバーなどと組み合わせ、内線電話の無線化を実現するという。すでに同ソリューションには、そのためのQoSや音声有線制御機能などは組み込まれている。
同ソリューションの価格は、240クライアントの場合で307万円から。
■ URL
日本電気株式会社
http://www.nec.co.jp/
プレスリリース
http://www.nec.co.jp/press/ja/0310/2901.html
( 石井 一志 )
2003/10/29 20:02
|