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沖電気、VoIPでの高音質通話技術を開発

対応端末「e音IPフォン」を発売

VoIP端末「e音IPフォン」
 沖電気工業株式会社は11月17日、IP-PBXサーバー「DISCOVER01」端末用の新ラインアップとして、音質を向上したVoIPの新製品「e音(いいおと)IPフォン」を発表した。2004年1月より出荷される。価格は80,000円。同社では、今後3年間の販売目標を100,000台としている。

 同社のIP-PBX製品であるDISCOVER01は、VoIP技術により、音声やデータなどのCTIに加えて映像配信も統合したインフラを提供し、業務を効率化するオフィスコミュニケーションを実現するマルチメディアコミュニケーションサーバー。最大で約2万台のIP端末が収容可能だ。従来から同製品を利用している環境へのe音IPフォンの追加には、ソフトウェアのアップグレードが必要で、この価格は3,800,000円となる。

 同社ではVoIP関連機器市場が2007年には2,000億円、関連サービス市場は7,200億円に達すると予測しており、DISCOVER01を中心としたインフラと、VoIPの新技術「e音」で、現在トップの市場シェアをさらに20%拡大することを目指す。


沖電気工業株式会社 IPソリューションカンパニー・プレジデント 浅井 裕氏
 同社執行役員でIPソリューションカンパニー・プレジデントの浅井 裕氏は今回の発表を、「情報と通信の融合した市場の第2幕の幕開け」と語った。同社はVoIP市場への取り組みをいち早く始めており、VoIPを拡張するインフラを提供するなど業界をけん引している。今回の製品は同社のIP-PBXで利用できるものだが、将来的には「この程度の音質が当たり前の世界を作りたい」と語った。一般家庭での電話回線への同技術の利用も視野に入れ、「一般電話でも実現できる仕掛けも開発を終えている」とのこと。今後はキャリアとの連携を課題に挙げた。

 今回提供された端末に利用される音声コーデックは、「データ量はいままでの電話と同じ64Kbps」ながら、従来のVoIPの規格であるG.722をベースに改良を加えており、またハンドセット自体のマイク、スピーカーにも高音質のものを採用したことで「FM放送並み」の音質を実現している。

 製品発表会では音声デモも行われた。同氏は「特に子音をよく確認してほしい」と語り、その音質の良さを述べた。また周囲の雑音の中から音を聞き分けるために脳を使うのではなく、「聞き易い、理解しやすい、心地よい、もっと豊かな電話」を提供し、業務フローの革新にもつなげたい考え。また今後は、音声認識の品質向上により、BGMでの利用や、「子音が占める割合が特に多いとされる英語・ロシア語などの外国語教育」、さらに相談室、会議、放送などの分野での活用を提案していく。

 音声の周波数帯域は上が7KHz強、下は50Hzまで出力可能とのことで、既存のVoIPとの接続については、G.722をベースにしているため問題はない。ただこの場合の音質は通常と同じになる。プロトコルもSIPのほか、今後のカスタマイズで他への対応も可能としている。またコストについても「現状と同程度で実現できる」としている。



URL
  沖電気工業株式会社
  http://www.oki.com/jp/
  DISCOVERY01
  http://www.oki.com/jp/NSC/JIS/PROD/IPSTAGE/product/d01/d01.htm


( 岩崎 宰守 )
2003/11/17 16:14

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