最新ニュース
東京エレクトロン、APの集中管理が可能な無線LANソリューションを発売
上から「AirSwitch」、「AirServer」、「AirHub」
東京エレクトロン株式会社コンピュータ・ネットワークBUは1月13日、企業向け無線LANソリューションとして米AirFlow Networks(以下、AirFlow)の無線LAN製品の販売を開始した。
AirFlowの無線LANは、複数のアクセスポイント(以下、AP)を仮想的に一つのAPとみなして集中管理する「シングルAPアーキテクチャ」方式を採用する。従来のAPの代わりにパケットアンテナと呼ばれる「AirHub」を複数台設置して無線LANクライアントとの接続を行い、これらをワイヤレスコントローラと呼ばれる「AirServer」または「AirSwitch」に有線LANで接続して、チャンネルやセキュリティなどの設定を一括で管理する。
AirFlowの特徴は複数のパケットアンテナで単一のチャンネルを利用でき、クライアントが移動して接続するパケットアンテナが変わっても再認証などを行う再アソシエイション(ローミング)を行わずに接続が継続できるため、接続速度が維持できることだ。従来の無線LANで同一チャンネルのAPを設置すると干渉が発生するため、それぞれのチャンネルを変えて設置する必要があった。しかしこの場合、クライアントの移動により接続するAPが変わると再アソシエイションにより再認証などを行うため接続速度が落ちてしまっていた。
従来のAPを複数台同一チャンネルで設置した場合、干渉により接続がとぎれる。
従来のAPを複数台チャンネルを分けて設置した場合、再アソシエーション時に通信速度が低下する。
AirFlowソリューションによりAirHubを設置した場合、再アソシエーションが発生しないため速度低下がほとんど起きない。
第一営業統括グループ 統括リーダー 林英樹氏
同社第一営業統括グループ統括リーダーの林英樹氏は「従来の方式だと接続速度低下により、特に無線VoIPの利用時には通話が切れてしまうこともある。AirFlowは再アソシエイションが発生しないためAPのカバレージ(接続エリア)に抜けがなく、無線VoIPも快適に利用できる」と説明する。また「複数のチャンネルをオーバーレイすることにより、音声とデータなど用途ごとに無線LANを分けることができる」という。
接続方式はIEEE 802.11bをサポートする。また「IEEE 802.11aは4月から5月の間に、IEEE 802.11gは夏期までにそれぞれサポートする予定」(同社)とのこと。このほか、IEEE 802.1x、IPSecなどのセキュリティ機能にも対応する。
無線LAN通信のトラフィックと設定を統合管理するワイヤレスコントローラのAirServerは、Gigabit Ethernet対応のアップリンクポートを2ポート、パブリックポートを1ポート搭載して、価格は168万円。AirSwitchはAirServerの機能に加えて100Base-TX・PoE対応ポートを12ポート搭載し、価格は196万円。パケットアンテナのAirHubは95,000円。
同社では向こう3年間で20億円以上の売上を見込んでいる。林氏は「データだけでなくVoIPによる音声が無線LANに乗ることにより、エンタープライズワイヤレスLANは今後より大きなマーケットになるだろう」とコメントした。
■
URL
東京エレクトロン株式会社コンピュータ・ネットワークBU
http://www.tel.co.jp/cn/
プレスリリース
http://www.tel.co.jp/cn/press/press_air_01.html
製品情報
http://www.tel.co.jp/cn/cs/nw/airflow/air.html
米AirFlow Networks
http://www.airflownetworks.com/
( 朝夷 剛士 )
2004/01/13 15:58
Enterprise Watch ホームページ
Copyright (c) 2004 Impress Corporation All rights reserved.