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シスコシステムズ、メトロイーサネット向けスイッチ、オプティカルのラインアップを拡充


Cisco Catalyst 3750 Metro
 シスコシステムズ株式会社は1月29日、メトロイーサネット向け製品のラインアップ拡充を発表した。新製品としてメトロイーサネットのエッジ向けスイッチ「Cisco Catalyst 3750 Metro」が発売されるほか、メトロイーサネットスイッチ「Cisco Catalyst 6500」「Cisco 7600」、メトロイーサネット向けオプティカル「Cisco ONS15454」用の新オプション発売と機能追加が行われる。各種製品の提供は、2月より順次開始される予定。


市場開発担当執行役員、山中 理恵氏
 最近の基幹ネットワークの状況は、「企業間をつないでいたレガシーな専用線は、速くて安いEthernetに、急速にシフトしてきている」(同社の市場開発担当執行役員、山中 理恵氏)。これをユーザートレンドの観点から見ると、利用するアプリケーションもVoIPやビデオコミュニケーション関連が増加しているという。帯域が増えたことが直接の原因ではないかと見られるが、こうした変化に伴い、「単に広帯域を提供すればいいということだけでなく、よりインテリジェントなサービスを求める声が増えた。つまり、用途に応じたQoSやSLA(Service Level Agreement、サービス品質保証契約)に対するニーズが大きくなってきた」と、山中氏は語る。

 つまり、きちんとした帯域制御、優先制御などで特定の用途に対して安定した環境を提供できれば、それがほかのキャリアとの差別化につながっていく。今回、1つではなく同時に多くの製品が発表されたのは、「ただ単に新製品を作ったというだけでなく、製品の組み合わせによって、キャリアごとの独自のニーズに対応するソリューションを作る」(山中氏)意図があるためだ。同社の製品を導入してもらうことで、キャリアが競争力を確保するための支援をする。それが今回の製品群に与えられた位置付けとなる。


シスコ製品によるメトロイーサネットの構築例 階層化QoSの仕組み

 新しくリリースされたCatalyst 3750 Metroは、階層化QoS、MPLS、トラフィックシェーピングなどに対応し、まさにこうしたニーズに応える製品という。キャリアはこうした機能を利用することで、レイヤ2のVPNだけでなく、MPLS VPNを含むレイヤ3のVPNのほか、SLAベースの帯域保証型サービスを提供することが可能になる。同製品の参考価格は、AC電源対応モデルで1,279,000円から。MPLSを利用するには、さらに2,193,000円のライセンス購入が必要。

 また、Catalyst 3750 Metroよりもコア向けの製品であるCisco Catalyst 6500とCisco 7600のオプションには、レイヤ2/3のVPNをハードウェアで処理できる「Supervisor Engine 720-3BXL」と、SFPのGigabit Ethernetポートを48基増設する「48ポートミックスメディアギガビットイーサネットモジュール」が追加。さらにオプティカルのCisco ONS15454用モジュールとしては、Gigabit Ethernetもしくは100Base-TX/10Base-Tインターフェイスを備えた「MLシリーズ」、10GbE LAN-PHYに対応し、東名阪など広帯域が要求されるところで利用できるという「10G/OC192 マルチレートトランスポンダー」が新たに発表されている。


10G/OC192 マルチレートトランスポンダー Supervisor Engine 720-3BX


URL
  シスコシステムズ株式会社
  http://www.cisco.com/jp/
  プレスリリース
  http://www.cisco.com/japanese/warp/public/3/jp/news/pr/2004/003.shtml


( 石井 一志 )
2004/01/29 19:38

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