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ジュニパーネットワークス、ネットワーク統合を視野に入れたプロバイダエッジ向けルーターを発表
エッジ向けプラットフォーム製品「M320」
技術本部 アジアパシフィックコアプロダクト担当部長 杉山 秀次氏
“インフラネット”の概念図
ジュニパーネットワークス株式会社は2月18日、エッジ向けルーティングプラットフォーム製品群「Mシリーズ」に、最上位モデル「M320」を追加すると発表した。OSには従来製品同様にJUNOSを採用している。
M320はキャリアやISPのエッジ向けプラットフォーム製品で、ハーフラックサイズの筐体に、最大32枚のPIC(物理インターフェイスカード)を装着可能。PICは同社のMシリーズやTシリーズで利用されている既存の製品を使用できるため、発売の段階でも10Gigabit Ethernet/OC-192/STM-64などの10Gbpsの高速インターフェイスから、OC-48/STM-16、Gigabit Ethernet、T1/E1などの低速インターフェイスまで、幅広い種類に対応している。筐体あたりのインターフェイス密度も、10Gbps系で最大16ポート、Gigabit Ethernetでは最大160ポートまで拡張が可能と、非常に高い拡張性を持つ。
処理能力面では、スループットはこれまでMシリーズの最上位機であったM160のおよそ倍にあたる320Gbps、パケット処理能力も385Mppsという高処理能力を誇る。また信頼性の面では、電源やファン、ルーティングエンジン、スイッチファブリックなどほぼすべてのハードウェアで冗長構成が取られており、さらに「ルーティングエンジンに障害が発生した場合、パケットは継続的に転送できるような仕組みが採用されている」(技術本部 アジアパシフィックコアプロダクト担当部長 杉山 秀次氏)ことで、キャリアグレードの製品に仕上がっているという。
加えて、VPNへの対応が広いことも同製品の特長の1つで、レイヤ2/レイヤ3のVPNやVPLS(Virtual Private LAN Service)はもちろん、CCC(回線クロスコネクト)、ATM/FRからEthernetへのスムーズな移行をサポートするレイヤ2.5のインターワーキングVPNなどにも対応し、VPN上でのマルチキャストもサポートする。
杉山氏によれば、こうした性能を持つ同製品は、ジュニパーネットワークスが提唱する「インフラネット」構想のエッジに最適だという。インフラネットとは、さまざまなサービス、リソースをMPLSベースのネットワークに移行させて1つのモデルを作り、キャリア間の接続性を確立しようとするもの。これが実現すると、最終的にはエンドツーエンドでリソースを確保することが可能になる。
杉山氏は「現在プロバイダ内にはインターネット、ATM、TDM、プライベートIP網などの各ネットワークが個別に構築されているが、これを1つのMPLSネットワークに統合していこうという動きがある。この時にエッジのプラットフォームでいろいろなネットワークを集合させられないと、これが実現できない」と述べ、こうした統合のニーズに対応するために、マルチインターフェイスに対応したM320を市場へ投入するのだという点を強調した。
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URL
ジュニパーネットワークス株式会社
http://www.juniper.co.jp/
プレスリリース
http://www.juniper.co.jp/company/presscenter/pr/2004/pr-040217.html
( 石井 一志 )
2004/02/18 20:22
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