エンテラシス・ネットワークス株式会社(以下、エンテラシス)は2月24日、無線LANアクセスポイント「Roam About AP3000」、レイヤ3スイッチ「Matrix E1/C1」を発表した。またあわせて、シャーシ型スイッチ「Matrix Nシリーズ」用の拡張モジュール「プラチナDFE」の新製品と、その廉価版「ゴールドDFE」の投入も発表されている。
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RoamAbout AP3000
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Matrix C1(1000Base-T×24のモデル)
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RoamAbout AP3000は、既存のアクセスポイント「RoamAbout R2」の廉価版という位置付けの製品。IEEE 802.11a/b/gに準拠したモデルと、IEEE 802.11b/gに準拠したモデルの2つが提供される。セキュリティ面では、WEP、WPA、AESの暗号化や、IEEE 802.1x認証に対応している。価格は105,000円より。
Matrix E1では、すでに100Base-TX/10Base-T×48のモデルが提供されているが、今回は100Base-TX/10Base-T×24のモデルと、Mini GBICスロット×6のモデルが追加された。Matrix C1は今回新たに投入される製品で、ラインアップには1000Base-T/100Base-TX/10Base-T×24とMini GBICスロット×4を持つモデルと、1000Base-T/100Base-TX/10Base-T×2、100Base-TX/10Base-T×24、Mini GBICスロット×2の各インターフェイスを持つモデルが用意された。価格は、Matrix E1が498,000円より、Matrix C1が670,000円より。
■ 統合されたセキュリティを目指す、Secure Networks
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代表取締役社長 土本 良司氏
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今回発表されたこれらの製品は、単なる1製品にとどまらず、今年発表された同社の新戦略「Secure Networks」を構成する要素の1つだ。エンテラシスの代表取締役社長 土本 良司氏が「意識するしないにかかわらず、ネットワークには問題になる部分がある」と述べたように、ネットワークのセキュリティホールを1つ残らずなくすことは難しいのが現状。またネットワークに持ち込まれたPCからMS Blastワームがまん延したように、どこに穴があるかを把握することも難しい。そこで同社は、ユーザーが直接接続するネットワークの各エッジ部分に、分散した、かつ中央管理可能な仮想ファイアウォールを存在させることで対処しようとしている。
つまり、スイッチをはじめとする「ネットワークデバイス自体がセキュリティ機能を持つ」状態にするのである。これが、同社のセキュリティポリシーのためのネットワーク基盤「Secure Networks」だ。具体的には、ロール(役割)ベースのポリシーをあらかじめ設定し、同社の管理ツール「NetSight ATLAS」によってMatrixスイッチなどに教えこんでおくことで、ユーザーが実行できることをロールによるグループごとに制限してしまう。またワームに利用されないように、危険なポートを事前に閉じてしまうこともできるようになっている。
さらに今後は、ワームの攻撃を検知した場合に同社のIDS「DRAGON」との連携で、自動的にワーム感染者の接続ポートを隔離するような機能も提供が予定されているという。土本氏は「バラバラにセキュリティ機器が導入された結果、全体を見たときには穴だらけになってしまったネットワークでこれからもやっていくのか?ネットワークには、当社の製品のような統合されたセキュリティが必要だ」と主張する。
また土本氏は「ユーザーが、速い(Capacity)、つながる(Connectivity)、安い(Cost)という3Cだけで製品を選ぶような、コモディティ化されたマーケットで戦う時代は終わった。Secure Networksではネットワークシステムからのバリュー、つまり通信の継続性(Continunuity)、人間の言葉で考え、理解し、行動する(Context)、ネットワークをアクティブかつダイナミックに変更する能力(Control)、内部・外部のコンプライアンスに対応すること(Compliance)、通信環境の強化・統合(Consolidation)、この5つのCを提供できる。ネットワーク業界も価格の競争をするだけでなく、IBMがサービスベンダーに変身(して成功)したように、5つのCを提供することで、それと同じような方向へ進むことができれば」と語っていた。
■ URL
エンテラシス・ネットワークス株式会社
http://www.enterasys.co.jp/
( 石井 一志 )
2004/02/24 19:34
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