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Passport 8300 Ethernet Switch
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プロダクトマーケティング 小松 士恩氏
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Passport 8300の使用例。大企業のエッジに置き、PoEでIP電話機に給電している。コア側スイッチを冗長化構成にし、SMLTを利用することも可能だ
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ノーテルネットワークス株式会社は3月18日、スイッチ製品群「Passportシリーズ」のラインアップに、レイヤ2/3スイッチ「Passport 8300 Ethernet Switch」を追加し、4月より販売を開始すると発表した。販売は同社の販売代理店を通じて行われる。価格は、最小構成で4,217,000円から。
Passport 8300は、大企業のエッジ部分での利用に適したレイヤー2/3スイッチで、高いポート密度を持つワイヤリングクローゼットの製品。同社のプロダクトマーケティング 小松 士恩氏によれば、従来より同社が販売している大規模コア向けスイッチ「Passport 8600」と組み合わせ、エッジの部分にPassport 8300を配置するような使用方法を想定しているという。なお、現時点で同製品が持つレイヤ3の機能はスタティックルーティングのみだが、2004年の秋をめどにOSPF、RIPなどのダイナミックルーティングに対応させ、「同スイッチをPassport 8600のようなコアスイッチとしても利用できるようにする」(同氏)ことも予定されている。
ハードウェアは、6または10スロットを持つシャーシをベースに、8ポートのGigabit Ethernet(Mini-GBIC)インターフェイスを備えたスイッチファブリックを搭載して使用する。スイッチファブリックは2枚まで搭載でき、1枚ごとに160Gbpsの処理能力を持つ。インターフェイスは、100Base-TX/10Base-T×24、1000Base-T/100Base-TX/10Base-T×12などのモジュールを搭載することで、100Base-TXであれば最大384ポート(8モジュール)、1000Base-Tであれば最大192ポート(同)まで拡張ができる。
障害対応の機能もいくつか盛り込まれており、Passport 8300と通信をするコア側にPassport 8600を2台設置すれば、トラブル発生時に素早い経路切替を可能にするSMLT(Split MultiLink Trunking)が可能。加えてPassport 8300単体でもスイッチファブリックや電源は冗長化構成がとれるほか、各モジュールはホットスワップが可能となっており、「こうした高い冗長性が、通常のボックスタイプのスイッチとの大きな違い」(小松氏)とのことだ。
さらに、Ethernet経由で電源を機器に供給するためのPoE(IEEE 802.3af準拠)機能を搭載したモジュールも用意。PoEのサポートは同社としては小型スイッチ「BayStack 460 PWR」についで2番目となるが、この機能は「音声や映像などのマルチメディア通信と通常のデータ通信を統合し、単一のネットワークを構成する」という同社の「サービス・セントリック・ネットワーキング」戦略の上でも重要な要素になる。なぜなら、IP電話機にスイッチから電力を供給することで電源の問題を解決でき、IPテレフォニーを導入しやすくなるという要素があるからだ。またそれだけでなく、ポートごとに8段階ハードウェアキューの設定が可能であったり、ポリシングやシェーピングに対応するなど、IPテレフォニー導入では不可欠とされるQoSの機能も盛り込まれている。
同社では、こうしたPoE・QoSの機能や高いポート密度を必要とする企業、コールセンターなどにPassport 8300を普及させていきたい、としている。
■ URL
ノーテルネットワークス株式会社
http://www.nortelnetworks.com/corporate/global/asia/japan/
( 石井 一志 )
2004/03/18 15:27
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