アライドテレシス株式会社は4月22日、IPv6の利用を促進するキャンペーンとして、L3スイッチ「CentreCOM 8948XL」とIPv6対応に必要なオプションをすべてパッケージングした「IPv6スターターキット」を、5月~9月末までの期間限定で発売すると発表した。価格は998,000円(税別)。
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マーケティング営業本部本部長 長尾利彦氏
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IPv6スターターキットに含まれる「CentreCOM 8948XL」は100Base-TX/10Base-T×48ポートを装備し、オプションでGigabit Ethernet×4ポート搭載可能なL3スイッチで、2004年3月に発売されたもの。これにIPv6ハードウェアルーティングが可能なアクセラレータボードや256MB拡張メモリなどが付属し、標準価格1,873,000円のところ100万円を切る「ポート単価で日本一安い」(マーケティング営業本部本部長 長尾利彦氏)戦略的価格で販売する。
同社は2001年に、当時としては「非常にセンセーショナルな価格」(長尾氏)となる20万円を切るL3スイッチ「CentreCOM 8624XL」を発売してシェアを拡大。2001年、2002年の国内L3スイッチの販売ポート数シェアで1位となっており、今後拡大が予想されるIPv6対応製品市場においても同様に先手を打つ構えだ。
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IPv6スターターキットの特徴
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競合製品との比較
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L3スイッチ国内販売ポート数シェア
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また2004年第4四半期には、Gigabit Ethernet×24ポートを装備し10Gigabit Ethernet×2ポート搭載可能なIPv6対応スイッチ「CentreCOM 9900シリーズ」を発売する予定とのこと。
■ 低価格なエッジスイッチでのIPv6ルーティングが普及のカギ
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IPv6ネットワークのイメージ
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IPv6は、IPアドレスの枯渇問題からいずれ普及するとされているが、いまだ運用試験的段階から抜け出せておらず、世界での利用率も2%前後というのが現状だ。同社はIPv6の普及において(1)TV会議などの対応アプリケーション、(2)セキュリティ対策、(3)インフラの整備、が必要とし、それぞれの製品開発・提供を続けているが、特にインフラの整備についてはIPv6対応製品の低価格化が不可欠だという。そこで、「IPv6ルーティングを行う場所を(高価な)コアネットワークから(低価格な)エッジネットワーク部分へ移行することで利用が進む」(長尾氏)というのが同社の見解だ。
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代表取締役副会長 高木弘幸氏
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代表取締役副会長の高木弘幸氏は、「最近になって米国でIPv6製品に必要な部品を製造するベンダーが増えたため低価格化を実現できた。今後はIPv4と変わらない価格でIPv6対応製品を続々投入する」と意気込みを語る。さらに、「IPアドレスの枯渇問題は特にアジアで深刻となる。まずブロードバンド先進国である日本からIPv6化を進めたい」と、日本がIPv6化のイニシアチブを取る必要性を説明した。
同社は今後3年間でIPv6対応製品開発にR&Dの70%を投入し、2007年度には国内においてIPv6対応製品で300億円の売上を見込んでいる。
■ URL
アライドテレシス株式会社
http://www.allied-telesis.co.jp/
ニュースリリース
http://www.allied-telesis.co.jp/info/news/2004/nr040422.html
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( 朝夷 剛士 )
2004/04/22 15:12
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