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GMOとフリービット、「業界初」のASP型VPNサービスを提供開始


 グローバルメディアオンライン株式会社(以下、GMO)は5月20日、フリービット株式会社と提携し、中小規模の企業向けASP型VPNサービス「GMOどこでもLAN(以下、どこでもLAN)」の提供を開始した。

 どこでもLANは、VPNサービスをGMOが運用代行することでユーザー側で専用機器の購入・運用・メンテナンスなどが不要となるASP型のVPNサービス。アクセス環境(NATを通したネットワークや接続方法)やアプリケーションなどに依存せずに仮想的なLANを構築することが可能で、外部から社内ネットワークへのアクセスやPC間でダイレクトにファイル転送などを行うことができる。また、社内拠点間や企業間の接続にも対応する。


GMO 代表取締役会長兼社長 熊谷正寿氏
 価格は初期費用が5,250円、月額費用が3,150円で5ユーザーが使用可能。また、追加のアカウントライセンスを購入することにより1契約あたり最大20ユーザーまで利用できる。申し込みは同社のWebサイトからのオンラインサインアップで受け付けており「申し込み後5分でサービスを利用できる」(GMO アクセスカンパニープレジデント 大東洋克氏)とのこと。

 GMO代表取締役会長兼社長の熊谷正寿氏はこのサービスを「インターネットにおける(ドラえもんの)どこでもドア」と例え、だれでも容易に利用できる便利なサービスであることをアピール。また販売目標として「2~3年後には億単位のビジネスにしたい」と意気込む。


SoftEtherに似た基礎技術を利用

フリービット 代表取締役社長兼CEO 石田宏樹氏

他のVPNソフトとの比較表
 両社が「業界初のASP型VPNサービス」としているどこでもLANは、フリービットの「Emotion Link」と呼ばれる技術が基盤となっている。Emotion Linkは、TCP/IPネットワーク上に論理的な仮想ネットワークを構成する技術で、接続端末同士に専用ソフトウェアとドライバをインストールし、接続ゲートウェイをASPとして提供することでネットワークやプロトコル、アプリケーションに依存しないダイレクトアクセスを実現している。

 これはゲートウェイの部分を除いて以前より注目を集めている「SoftEther」に似た技術にも見える。フリービット代表取締役社長兼CEOの石田宏樹氏は、具体的な名称を控えながらもSoftEther(と思われるもの)との比較表を示し、不正なIPアドレスからのアクセス防止、マルチプラットフォーム対応、最大80Mbpsの通信速度、グローバルIPアドレスの割当に対応、などを挙げEmotion Linkの優位性をアピールする。さらに「ユーザー認証などを行う接続ゲートウェイをユーザー側ではなく当社で管理するため安定性や信頼性が違う」とした。

 三菱マテリアルと独占契約を結び、商用版の発売も予定しているSoftEtherも今後同様のサービスを展開する可能性もある。石田氏は「ブロードバンドの普及により通信速度あたりの価格が下落した現在、セキュアな通信経路の確保がネットワークインフラにおける最後の価値となる」と述べ、今後VPNをはじめとするセキュリティ重視のインフラビジネスの提供と利用が活発化する考えを示した。



URL
  グローバルメディアオンライン株式会社
  http://www.gmo.jp/
  フリービット株式会社
  http://www.freebit.com/
  ニュースリリース
  http://www.gmo.jp/press/release/20040520.html
  どこでもLANの詳細
  http://www.dokodemolan.com/

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  ・ 三菱マテリアル、「SoftEther」を活用したソリューションシステムを製品化(2004/03/01)


( 朝夷 剛士 )
2004/05/20 18:52

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