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シスコ、大規模クラスタ構成をサポートする次世代ルータ |
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株式会社シスコシステムズ（以下、シスコ）は6月29日、ハイエンドルータ「Cisco CRS-1」を発表した。現在、米Cisco Systems（以下、Cisco）の主要顧客によって同製品のフィールドテストがワールドワイドで行われており、7月より順次出荷される見込み。国内での参考価格は9380万円から。 ■ 大規模クラスタで1システムあたり最大92Tbpsを実現
CRS-1では、同一の筐体内ですべてをまかなう「シングルシェリフ構成」のほかに、ラインカードとファブリックの筐体を独立させる「マルチシェルフ構成」に対応する。この構成では、必要に応じてそれぞれの筐体を増設して“クラスタ化”することで、スケーラビリティを確保できるため、ルータを買い換えることなく、長期的な視野でシステムを導入できるメリットがある。すでに競合ベンダではこうした設計を取り入れているところもあるが、シスコのコアルータ製品に取り入れられるのは、CRS-1がはじめて。 シングルシェリフ構成の場合は、最大16枚のラインカードを装着できるラインカード筐体単体で構成され、スイッチング容量は最大1.2Tbpsまで。マルチシェリフ構成の場合は、2台から72台までのラインカード筐体と、1台から8台までのファブリック筐体が含まれ、1システムあたりの最大スイッチング容量は92Tbpsまで拡張できる。Ciscoの上級副社長兼ルーティングテクノロジーグループ ジェネラルマネージャ、マイク・ボルピ氏は、「既存の製品に比べ、100倍の性能を実現した。10年以上コアで使っていくことができるルータだ」とその性能とスケーラビリティの高さを強調していた。 CRS-1用のラインカードには、OC-192c/STM-64c×4、OC-48c/STM-16c×16、10Gigabit Ethernet×4、10Gigabit Ethernet×8などのほか、OC-768c/STM-256c（40Gbps）対応製品も「業界ではじめて」（同社）用意される。また上記のような高速処理を行うため、40Gbpsの処理速度を持つプログラマブルASIC「Cisco Silicon Packet Processor」も搭載している。 ■ 可用性・運用性を向上させる新OSを採用 IOS XRでは、従来より同社がルータ、スイッチに搭載している「Cisco IOS」と異なり、モジュラー構造を採用している。これによって、同OSを搭載するCRS-1では、プロセスごとに独立した処理を行ったり、障害による影響範囲を最小限に食い止めたりすることが可能。また、ボルピ氏が「Always On」という言葉で表現したように、CRS-1とIOS XRではソフトウェアのアップグレードや機能強化、拡張などの作業を行う場合、もしくは筐体を増設するような場合でも、サービスを中断することなく実行できる。さらに1つのCRS-1システムを使って、複数の顧客やサービスに対して異なる処理を行うことができる「サービス分離アーキテクチャ」も導入された。それぞれのタスクは独立しているため、1つのタスクが落ちてもほかに影響を及ぼすことはない。いわば、ネットワークの仮想化を行うこの機能を利用すると、複数の機器で処理させていた作業を1つに統合することも可能なため、ネットワークの運用コストを削減することも可能という。 Ciscoが4年の歳月と5億ドルの資金をかけて開発した次世代ルータ、CRS-1。「今まで当社は技術のイノベータとしては認知されていなかったが、この製品で市場に対して革新を提供する。CRS-1は単なるルータではなく、当社の革新へのスピリットを表現したものだ」（ボルピ氏）と意気込みを示すこの製品が、市場にどう受け入れられるか、注目が集まっている。 ■ ＵＲＬ シスコシステムズ株式会社 http://www.cisco.com/jp/ CRS-1 http://www.cisco.com/japanese/warp/public/3/jp/product/hs/routers/crs1/
（ 石井 一志 ）
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