エニーユーザーグローバル株式会社は、韓国Anyuser.Netと提携し、国内だけでなく韓国拠点との通話も無料となる法人向けIP電話サービス「AnyTell」を7月16日をめどに提供する。
|
VoIPゲートウェイ「Tenor A400」
|
AnyTellは、米Quintum TechnologiesのVoIPゲートウェイ「Tenorシリーズ」を用いたIP電話サービス。PBXと局の間にゲートウェイを置くことで、番号体系をなど変えずに既存回線をバックアップとして利用し、またPBXを残したまま、段階的なIP化が可能となっている。ハードウェア導入は約15分でPBXへの接合と設置が可能とのこと。音声通話をVoIP化する。
今回の提携では、IPネットワーク上でゲートウェイやVoIP端末に対して呼制御やルーティングを行うゲートキーパーを、韓国Anyuser.Netと相互接続することで、韓国-日本の拠点間通話を無料で提供する。
価格は20人程度の規模向けとなる4ポートの「Tenor A400」が26万円だが、5年間リースの場合7500円/月となる。また2ポートのモデルも12万円で提供している。このほかAnyTellのサービス利用料として1回線あたり880円/月が必要となる。通話料金は日韓間を含む拠点間は無料。固定通話が1分4円、3分8円。携帯電話向けは1分19円で、このほかアメリカ・カナダ向けが1分8円など、国際通話料金も低料金となっている。また導入に際してプロバイダの制限はないという。
|
エニーユーザーグローバル株式会社 代表取締役社長兼CEO 宮町秀恒氏
|
|
韓国で提供されている一般・SOHO向けのVoIPゲートウェイとBluetooth無線端末
|
同社代表取締役社長兼CEOの宮町秀恒氏は、「IP電話を導入すれば中堅企業でも必ずコストメリットが出る。導入時の初期投資は4カ月から長くても1年で回収できる」とし、「日本に進出している韓国企業、また韓国に進出している日本企業を中心に、韓国に取引先を多く抱える企業などにも提供していきたい」と述べている。
韓国Anyuser.Netは、2004年6月末時点で、LGグループ、ロッテグループ、在韓米軍といった大手企業・団体をはじめ5000社の法人ユーザーを有する韓国最大手のVoIPサービス提供専業の企業。Koria Telecomからも出資を受けている。Anyuser.Net 社長兼CEOのサムエル・ヨンホ・ヨン氏は、「VoIPというと品質が心配されるが、途切れることがなく、一般回線と変わらない高い音声品質が韓国でトップシェアとなった要因」と自信を見せた。同氏によれば、韓国国内で提供しているサービスでは、「1Mbps程度のADSL回線で7通話まで接続できる」という。
また韓国では法人向けサービスだけでなく、一般向けにもサービスを提供しており、VoIPゲートウェイとの間をBluetoothにより通信する無線端末も提供している。
会見ではデモも行われた。通話は若干遅延が発生するものの、音声そのものはクリアに感じられた。また通話中にLAN接続が切れた場合には、電話をかけなおすことなく自動的に一般回線に切り替わる。これにより停電の際の通話も可能とのこと。
■ URL
エニーユーザーグローバル株式会社
http://www.anyuser-jp.com/
( 岩崎 宰守 )
2004/07/09 19:23
|