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執行役員 通信計測本部長 梅島正明氏
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アジレント・テクノロジー株式会社(以下、アジレント)は、IP電話をはじめとするVoIPサービスの品質を監視・管理する、キャリア向けのソリューション「アジレントVoIP QoS マネージャ」を、7月15日から販売開始すると発表した。製品の出荷は9月より開始される見込み。
アジレントの執行役員 通信計測本部長、梅島正明氏によれば「日本ではIP電話に対して、インターネットサービスの付加機能としてついてくる無料の電話、というイメージが強い。(こうした現状を改めて)IP電話の品質をお金の取れるレベルに向上させ、それを維持していくことが、プロバイダにとっては大きなチャレンジになるだろう」という。そのために克服すべき課題として梅島氏は、「VoIPシグナリングの複雑さ、IPネットワークの障害の多さ、音声の符号化・圧縮による品質問題」の3つをあげ、これらをいかに解決していくかが、品質向上の鍵だとした。
そこでアジレントでは、今回アジレントVoIP QoS マネージャを市場へ投入する。この製品は、独立した複数のモジュールと、統合管理を行うプラットフォームのQoSマネージャから構成されているが、これらを複合して使用することで、MOS値、遅延、ジッタ、パケット損失などの音声品質、すべての通話における接続品質、パフォーマンス、通話がネットワークのどこを通ったかというトポロジ表示などの監視、分析、管理を行える。ユーザーはこれにより、ネットワークのどこに、どういった障害が起こっているかということを把握し、対処することが可能だ。
加えてこのソリューションでは、こうした事後対応だけでなく、状況の変化を分析することで、予防措置を事前に行えるようにした。例えば、実際に障害が発生していなくても、パケットロスがしきい値を超えるなどした場合には管理者に対して警告通知が送られる。通知を受けた管理者はどの通話のどのセッションが異常なのか、またその通信がどのネットワーク経路を通って行われたのか、ということをQoSマネージャで確認できるため、実際に機器がダウンする前に対策を講じることができるのである。
また、「何かが起こる前に対応するというプロセスでは、ユーザーの視点からも見る必要がある」(梅島氏)ため、アクティブ測定機能も提供する。この機能では、実際にネットワーク内にパケットを流し、プローブからの反応を見ることで、ネットワーク機器の死活や応答時間などを検査できる。さらにQoSマネージャの機能として、SLA管理やSLAレポーティング機能も実装されており、顧客と契約したSLAの状況を実証し、ドキュメント化したレポートを作成可能とのこと。
QoSマネージャの価格は、ハードウェアを含まない最小構成で2000万円から。アジレントでは、今後1年間に12億円の売り上げを目標としている。
■ URL
アジレント・テクノロジー株式会社
http://www.agilent.co.jp/
プレスリリース
http://www.agilent.co.jp/newsjp/fy2004/cs02voipqosmanager.shtml
( 石井 一志 )
2004/07/15 20:11
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