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ジュニパー、ベストエフォートなのに高品質を保証するVoIP技術「J-Voice」


米Juniper Networks VoIP担当シニア・プロダクト・マネージャーのフィリップ・シーヴィー氏
 ジュニパーネットワークス株式会社は7月27日、同社のVoIP技術「J-Voice」の記者説明会を開催した。説明会には、米Juniper Networks VoIP担当シニア・プロダクト・マネージャーのフィリップ・シーヴィー氏が出席、同技術の特長について語った。

 シーヴィー氏はまず、「従来のVoIP向けネットワークでは、ベストエフォート品質を実現しているものの、一般電話相当の品質は提供できていない」と指摘した。レイテンシやジッタ、パケット損失などの値が高すぎると、音声品質に影響が出たり、通話が途切れるなど音声通話を行うにはベストエフォート型は非常にシビアであるのが現状だ。そのため、サービスプロバイダにとって、通話品質を確保できないままVoIPを企業に勧めることが困難となっている。

 こうした問題を解決するためには、音声パケットを効率的に流れるようにネットワークを設計する必要がある。同社では、これに対応する技術としてJ-Voiceを開発した。J-Voiceは、IPネットワークをキャリアグレード(99.999%の信頼性が要求される次世代通信製品のための機能要件)のパケット音声ネットワークに変換する技術。主な特長として、1)ネットワーク復旧機能による、高い信頼性と可用性を備えたパケット音声ネットワーク、2)ALG(アプリケーションレベルゲートウェイ)による音声パケットのNATやcRTPなど、キャリアグレードのパケット音声サービス要件に対応した機能、3)戦略パートナーと共同で提供するオープンでエンドツーエンドの音声ソリューション、などが挙げられる。

 「サービスプロバイダにとって、通話品質を確保し、なおかつ既存ネットワークの帯域を確保することは重要なこと。J-Voiceは、トラフィックの種類を区別し優先順位を付けたり、接続とコアネットワークの両方で音声通話に十分な帯域幅が利用可能であることを保証したりすることで、サービスプロバイダが必要とする機能を提供できる」と、J-Voiceを利用することによるビジネスインパクトをこう説明した。

 J-Voiceは同社のJシリーズ、Eシリーズ、Mシリーズ、Tシリーズに搭載されている。IDCの調査によると、同社の日本を含むアジア太平洋地域におけるコアルータ分野で46.8%のシェアをとり、初めて市場シェア1位を獲得したという。「日本・韓国を中心に、アジアではブロードバンドが急速に普及しており、それが大きく影響してシェア1位を獲得できた」と、ブロードバンドの普及とそれに伴う音声・ビデオの利用増大がシェアアップにつながったと説明した。



URL
  ジュニパーネットワークス株式会社
  http://www.juniper.co.jp/


( 福浦 一広 )
2004/07/27 15:59

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