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アルカテル、MPLSベースのサービススイッチを国内販売


 日本アルカテル株式会社は、主に通信事業者向けとなるイーサネットサービススイッチ「Alcatel 7450 ESS」シリーズを8月より出荷する。価格はオープンプライスで、同社では初年度100億円の売上を目標とする

 Alcatel 7450 ESSには、米Alcatelが2003年7月に買収したTiMetraから組織移行した同社IP事業部の開発した製品。1.5Uサイズの「7450 ESS1」と、7Uサイズの「7450 ESS7」の2つがラインアップされ、高性能ASICによりフルワイヤースイッチングとQoSを実現している。

 7450 ESS1は、20Gbpsのスイッチング容量を持ち、10GbE×2を搭載するほか、電源が冗長化されている。一方の7450 ESS7は、最大で10GbE×10ポートを搭載でき、200Gbpsのスイッチング容量となっている。また電源だけでなく、ファンやファブリック、そしてオプションによりCPUの冗長化も可能になっている。


Alcatel 7450 ESS7 Alcatel 7450 ESS1

米Alcatel IP事業部 製品管理ディレクター スニル・カンデカー氏
 米Alcatel IP事業部 製品管理ディレクター スニル・カンデカー氏は、「ISPでは、VPNなどをサポートするためのフレームリレーやATMのネットワークと、パケットベースのIPネットワークの2つを抱えている。これをパケットベースのIPネットワークへと統合するニーズがある」とした。また「ネットワークエッジでの要求が変化している。ハイスピード、ロースピードそれぞれのインターフェイスによるネットワークアグリゲーション、VPNサポートやQoSなどの要件は、他ベンダーのシンプルなルーターでは満たせない」と述べた。

 Alcatel 7450 ESSでは、MPLS(Multi Protocol Label Switching)ネットワークでレイヤ2スイッチをエミュレーションするVPLS(Virtual Private LAN Service)によるポイントトゥポイントのサービスや、IP-VPNサービス、またQoSや認証、VoIP、ビデオなど「1000以上の違うタイプのサービス」をパケットベースのネットワーク上で展開することが可能となっている。


ATMとIP/MPLSの2つで構成されているネットワークの例 IP/MLPSに統一することで、さまざまなサービス提供と運用コスト削減が可能になる 企業に導入した場合も、ネットワークの大部分を統合できるメリットがある

米Alcatel IP事業部 製品マーケティングディレクター リンセー・ネウェル氏
 米Alcatel IP事業部 製品マーケティングディレクター リンセー・ネウェル氏は、「ISPでは導入コストの低いイーサネットを利用して、今までにないサービスをより効率的に展開できる。ビジネス上で高い付加価値となる」とした。例えばQoSの機能により、必要な帯域を優先的に確保して映像コンテンツなどを提供し、そのアクセス制御や課金についても認証の機能を用いることで解決できるという。

 またネットワークの運用管理ツールキットも付属し、「障害、問題を技術者がモニタリングにより把握して迅速に対応できる」と述べ、「複数サービスを統合できるメリットと、こうした管理ツールにより、ネットワークオペレーションのコストを削減できる」とした。


日本アルカテル株式会社 代表取締役社長 藤井克美氏
 これまで日本アルカテルでは、ソフトウェア、アプリケーション、衛星向けソリューションなどを主な事業としていた関係で、直販のみのビジネスモデルだった。日本アルカテル株式会社 代表取締役社長 藤井克美氏は、「チャネルモデル販売の組織を現在構築中で、サポート拠点も日本に設ける。Alcatelとしては日本を含め、中国、韓国、台湾を加えた極東エリアの市場を重視しているため、今後の戦略として国内顧客向けの開発を中国拠点に移管する方向だ」とした。




URL
  日本アルカテル株式会社
  http://www.alcatel.co.jp/

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( 岩崎 宰守 )
2004/07/28 15:11

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