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パケッティア、自律的なネットワーク制御を行う新技術を9月に提供


パケッティアの代表取締役社長、金城盛弘氏
 パケッティア株式会社は7月30日、同社が提供しているQoSアプライアンス「PacketShaper」の次期バージョンに、自律的に帯域を制御する新機能「Adaptive Response」を盛り込むことを明らかにした。これは、同社が開催したプレスミーティングの中で、米Packeteer, Inc.のMarcketing Vice President、David Puglia氏が言及したもの。同機能が含まれる新しいファームウェアは、9月からの提供を予定している。

 パケッティアの製品を含め、これまでのQoSソリューションでは「アプリケーションごとに上限値をあらかじめ決めて、そこに達しないように運営をするという方法や、レスポンスが低下したことを管理者に通知する、(管理ツールへ)トラップをあげる、といった方法を使って管理することしかできなかった」(パケッティアの技術部長、原俊哉氏)。

 しかしAdaptive Responseでは、たとえば、HTTPのトラフィックが1Mbpsを超えた場合に優先順位を下げる、アプリケーションのターンアラウンドタイムが一定以下になってしまった場合に帯域を拡張する、といった運用を、自動でアプライアンス側が行ってくれるようになる。また、しきい値を複数設定しておいて、最初のしきい値を超えた場合は管理者への警告、次のしきい値を超えた場合は帯域制御の実施、というように段階的な運用を行うこともできる。

 こうしたAdaptive Responseのメリットは、ある程度自動化ができるため、既存の運用に比べてより迅速な対応が可能になること。代表取締役社長の金城盛弘氏は「データセンターなどエンジニアがいるところであれば、何かあっても対応できる。しかし、多数の拠点を持つ会社において、予期せぬ事態が発生した場合、リモートメンテナンスができるとはいっても、いちいち設定を変更するのは非常に大変。自律型ならオペレーションが楽になる」と述べ、多くのブランチオフィスなどを持つ企業をターゲットとして売り込みを図る考えを示した。

 また原氏は「国内では、SoftEtherのような外部と自由に通信をするアプリケーションが出てきている。このようなものに対しては、たとえ管理者がいたとしてもリアルタイムに制御していくのは難しい。Adaptive Responseなら、1クライアントからの通信が非常に多くなった、またはSoftEtherのトラフィックが増えた、といったことを察知して、別の制御ポリシーをあてはめることが可能だ」と語り、ダイナミックな対応が可能なため、さまざまなケースに適用できることも、Adaptive Responseのメリットだと強調していた。



URL
  パケッティア株式会社
  http://www.packeteer.co.jp/

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( 石井 一志 )
2004/07/30 18:03

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