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NEC、IP電話のセキュリティと相互運用性を強化するゲートウェイ
日本電気株式会社(以下、NEC)は、「セッション・ボーダー・コントローラ」を8月23日より出荷開始する。同製品は、NECのSIPシグナリングゲートウェイ「CX3820-SF」と、米Brooktrout TechnologyのVoIPメディアゲートウェイ「SnowShore Media Firewall」から構成されるもので、IP電話サービスなどVoIP関連サービスのセキュリティを強化するとともに、IPネットワーク間の相互接続性を向上させる機能を持つ。価格は1947万円から。
現状のIP電話では、異なる通信事業者のIPネットワーク間や、プライベートIPアドレスで運営されているネットワーク間では、VoIP通信ができないことが問題になっているという。セッション・ボーダー・コントローラでは、異なる事業者のVoIPネットワーク間において、VoIPトラフィックだけを通過させる「VoIP-NAT/ファイアウォール機能」、プライベートIPアドレスを持つIP電話端末とNAT越えの通信を行える「NATトラバーサル機能」を備えている。このため、SIPサーバーを持つ通信事業者は、高いセキュリティを維持したまま、ISP事業者やCATV事業者にVoIPサービスを提供できるという。
また、IPv4網/IPv6網の間でのVoIPサービス相互接続を実現する「IPv4-IPv6変換」をはじめ、音声データの圧縮方式が異なるネットワーク間でも相互接続を可能にする「メディアコーデック変換」、IP電話でもプッシュ音を活用したサービスが利用できる「DTMF変換」などの各機能を搭載。海外の通信事業者とのVoIP接続サービス、チケット予約サービスなどの各種付加価値サービスなど、さまざまなサービスに適用できるとのこと。
加えて、音声データの転送処理は専用ハードウェアが担当するため、高速な転送処理が可能。さらにCX3820-SF、SnowShore Media Firewall双方とも冗長構成での導入が行え、信頼性を高めることもできる。
なおセッション・ボーダー・コントローラは、すでにSTNetとTOHKnetでの導入が決定しており、STNetでは10月より四国で提供を開始するIP電話サービス「ピカラ光でんわ」に、TOHKnetは東北地方と新潟県のCATV事業者、ISP事業者向けに提供するIP電話サービス「トークIPフォン」に、それぞれ活用していく予定。
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URL
日本電気株式会社
http://www.nec.co.jp/
プレスリリース
http://www.nec.co.jp/press/ja/0408/2301.html
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