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シスコ、企業の拠点を対象としたサービス統合型ルータ


 シスコシステムズ株式会社(以下、シスコ)は10月26日、企業の支社・支店を対象としたサービス統合型ルータ「Cisco Integrated Services Routers」(以下、ISR)を、11月より販売開始すると発表した。同製品のラインアップには「Cisco ISR 1800/2800/3800」の各シリーズが用意されており、価格は20万8000円から。

 Cisco ISRシリーズは、データ、音声、ビデオの、いわゆるトリプルプレイサービスを同時に配信可能なルータ製品。同社によれば、複数のサービスを1台のシステムで提供するというアプローチには、配備の迅速化、運用コストの削減といったメリットがあるという。

 今回発表された各製品では、シスコが提供しているNACプログラムを利用可能で、セキュリティポリシーが十分でないPCや、不正に持ち込まれたPCをネットワークへ接続させないようにすることができる。また、IOSベースのファイアウォール機能が標準搭載されるほか、IPS(不正侵入防止システム)も組み込むことができ、より深いレベルでの防御が可能になるという。

 ルータの機能としては、VPN暗号化のハードウェアアクセラレーション機能、直感的にルータの設定管理が可能な「Cisco Router and Security Device Manager(SDM)ver.2.0」が標準で搭載される。さらにオプションとして、VPNアクセラレーション機能の強化、URLフィルタリング、インライン型IPSなどの機能を付加できる。

 一方、IP電話関連の機能も従来製品と比べて強化されており、ISR 2800/3800シリーズはデジタル信号処理(DSP)用のスロットを内蔵するほか、ボイスメールや自動応答処理に用いるネットワークモジュールをスロットに追加可能。また両シリーズに搭載されたSRST(Survivable Remote Site Telephony)機能を利用すると、本社側に設置された呼制御サーバー「Cisco CallManager」との接続が絶たれても、各拠点のCisco ISRが処理を代替するため、冗長性が確保できるという。

 加えて、SRTP(Secure Real-time Transport Protocol)を使用したIP電話トラフィックなどの暗号化、IPsecによるゲートウェイ暗号化シグナリングによって、音声通話のセキュリティの確保を行えるとのこと。



URL
  シスコシステムズ株式会社
  http://www.cisco.com/jp/
  プレスリリース
  http://www.cisco.com/japanese/warp/public/3/jp/news/pr/2004/056.shtml

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( 石井 一志 )
2004/10/26 14:52

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