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アプリケーション共有も可能なインターネットTV電話サービス


 エレ株式会社は、企業向けのインターネットテレビ電話ソフトウェア「eleMIT」を1月5日より発売する。料金は初期費用が5250円/ID、月額も同じく5250円/IDとなる。


エレ株式会社 代表取締役副社長 COO 鍛冶幸宏氏

eleMITのユーザーインターフェイス
 エレ株式会社 代表取締役副社長 COOの鍛冶幸宏氏は、「他社のインターネットTV電話サービスでは、STBのような専用ハードウェアが必要だったり、ソフトウェアの場合でもプロバイダやOSなどの面での制約が多い」とした。eleMITでは接続先のプロバイダを問わず、グローバルIPアドレスの割り当ても必要としない。またUPnPやPPPoEに対応したルータを利用することなく容易に導入できる。

 eleMITのテレビ電話機能における動画送信は、モーションJPEGを基本とし、画像圧縮率やフレームレートを帯域の状態に合わせて動的に変化させる独自技術を、また音声コーデックはG723.1を利用する。そしてTCPではなく、「ネットワークの瞬間的な負荷変動に対応できる、UDPでもとぎれの少ない独自技術を用いた」通信を行っているという。このため、さほど高い帯域を必要とせずにテレビ電話を活用できる。

 通話先はサービス加入ユーザーだけでなく、非加入ユーザーも対象にできる。この場合には契約者のユーザーIDを利用したURLへとアクセスすることで、Webブラウザから通話ができる。またウィンドウへドラッグするだけで種類・サイズも問わずファイルを送信できる機能なども備える。

 またビジネス向けを意識した機能としては、通常のインターネット網を利用したテレビ電話だけでなく、“セカンドカメラ機能”を用いた幅広い活用が可能となっている。ここでは相手先を表示しながら、別ウィンドウで、商品説明やプレゼン資料を表示できる。接続するPCカメラの種類は問わないが、同社ではカメラ、ヘッドセット、スピーカーなどをオプションとしても提供する。

 さらにセカンドカメラウィンドウでは、アプリケーションを共有する機能も備える。ここでは、通話先のPCにインストールされていないソフトウェアをリモートのように起動でき、通話先が許可した一部について相手先から操作することも可能となっている。

 こうした機能について鍛冶氏は「VoIP、文字やビデオによるチャットが主のテレビ電話と一線を画した製品」とした。アプリケーション共有については「相手先にファイルをダウンロードするわけではなく、相手先からは一部を利用できるだけなので、情報漏えいなどのセキュリティ面の問題もない」とのメリットを語った。稼動OSについては現在のところWindowsプラットフォームのみだが、「今後はLinux、そしてMac OSにも順次対応させていく」という。


通話先PCにインストールされていないCADツールなどの画面を共有できる Excel上で受注伝票の一部のみを相手先に入力させることも可能

 現在のところ、企業への就業者が約311万人、SOHOなどの個人事業者が83万人となるテレワーカーだが、国土交通省ではこれを2009年までに、就業者の約20%にあたる1300万人にまで拡大する施策を進めている。同社では、今年度中に導入コンサルティングなどのサービスで1億円の売り上げを、さらに2005年後半までに1万ユーザーの獲得を目標としているが、こうしたテレワーク市場をターゲットとして、「2010年ごろには、この10%にあたる130万ユーザーの獲得を目指したい」とした。

 そして「企業の業種は問わずに販売を進めていく」としたが、これまですでに獣医や中古車メーカー、老人介護のNPO法人などへの販売を進めているという。またフィナンシャルプランナーや医療分野、カウンセリングなどへの応用にも期待を見せた。



URL
  エレ株式会社
  http://www.ele-ltd.com/


( 岩崎 宰守 )
2004/11/29 18:29

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