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日本シンボル、「無線VLAN機能」をサポートするアクセスポイント製品など


米Symbol Technologies Inc.の無線システム部門 マーケティング担当上級ディレクター、ゲイリー・シン氏
 日本シンボルテクノロジー株式会社は11月30日、中小規模向け無線LANスイッチ「Symbol WS2000」用の新ソフトウェアと、IEEE 802.11a/b/gに対応した無線LANアクセスポイント「Symbol AP300」を発表した。すでに両製品とも出荷は開始されている。ともに価格はオープンプライス。

 米Symbol Technologies Inc.の無線システム部門 マーケティング担当上級ディレクター、ゲイリー・シン氏によれば、「ネットワークが拡張するにつれ、管理やセキュリティ上の問題が発生してきた」という。そして同氏は、「これは製品単品では解決できない。当社のシステムでのみ、解決が可能だ」と主張するのである。

 これまでの無線LANシステムではこれらの課題を解決するために、無線LANアクセスポイント自体にインテリジェントな機能を持たせて対応することが多かった。しかしその後、無線LANスイッチというカテゴリの製品が登場したため、現在では無線LANスイッチの機能を強化する流れになってきているという。しかしだからといって、無線LANスイッチに何でもかんでも機能をくっつけてしまっては、とても高価で扱いきれないソリューションになってしまう。

 そこで同社では、「アクセスポイントも、スイッチも、それぞれが必要な機能を持つにとどめた」(シン氏)。つまり、もう1つ上のレイヤの製品として管理製品を用意し、そこには豊富な機能を持たせるものの、ネットワーク上に複数設置する必要があるアクセスポイントや無線LANスイッチはシンプルにすることで、「扱いやすく、イニシャル、ランニング両コスト面で優位な製品を市場に投入できた」という。シン氏は「IEEE 802.11bの一般的なソリューションの場合、当社の製品では1平方フィートあたり5セントで構築可能。しかし、他社の異なるアーキテクチャの製品では、これが10セントや20セントになる」と述べ、優位性を強調した。


 WS2000は小型版の無線スイッチで、PoE給電対応100BASE-TXポート×4と、100BASE-TXポート×2を持つ。従来同社では大型環境向けのWS5000を用意していたが、企業のブランチオフィスやリモートオフィス、ホットスポットなど、中小規模にも対応できるコスト効率の高い製品が求められていたため、WS2000を強化したという。

 主な強化点としては、セキュリティ規格のWPA2をサポートしたほか、ローミング時間の短縮、今回同時発表されたAP300への対応などが行われた。また、リモートオフィスと本社をインターネット経由でセキュアにつなぐことができるように、IPsec VPNをサポートした。シン氏によれば、「これによって、安全に中央から各拠点のスイッチを管理できるようになった。またCFスロットを備えているため、本社などからアプリケーションをそこにダウンロードしておき、CFから各端末へ配布するようにすることが可能。WAN帯域の有効活用に貢献できる」とのこと。

 一方のAP300は、IEEE 802.11a/b/gの同時通信に対応したアクセスポイント。PoE受電に対応しており、WS2000などのスイッチから給電を受けられるため、電源コンセントのない場所にも設置できる。また、構成パラメータやファームウェアをネットワーク上から自動ダウンロードする機能を備え、管理コストをおさえることが可能。さらに、複数のESSIDを1台のアクセスポイントに設定できる「仮想アクセスポイント機能」をサポート。これによって、「無線VLAN」ともいうべきセキュアな無線LAN環境を実現できるとしている。


Symbol WS2000(上) Symbol AP300


URL
  日本シンボルテクノロジー株式会社
  http://www.symboljapan.co.jp/


( 石井 一志 )
2004/11/30 20:07

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