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堀江社長がSkypeをアピール「みんな携帯電話会社にぼったくられている」


ライブドア 代表取締役社長兼最高経営責任者 堀江貴文氏
 株式会社ライブドア代表取締役社長兼最高経営責任者の堀江貴文氏は5月19日、都内で開催されている「ビジネスショウTOKYO 2005」のセミナーに登場し、公衆無線LANが普及するにともない、同社が手がける無料IP電話ソフト「Skype」のようなサービスが、携帯電話を上回る利用者を獲得するとの考えを示した。

 「携帯電話利用者はみんなぼったくられている。経営不振といわれるボーダフォンでさえ実はものすごいもうかっている。だからソフトバンクの孫社長は総務省とけんかをしてまで参入したがっている」と、堀江氏は携帯電話業界に対し苦言を呈した。FTTHやADSLなど数10~100Mbpsの帯域が月数千円で常時使えるのに対し、電話は帯域にしてわずか数10Kbpsしか使っていないのに料金が高いという、一種のねじれ現象が起こっているためだ。

 また堀江氏は、電話番号を総務省が管理し、「050」のIP電話の割り当てなどにさまざまな制限が設けられていることを挙げ「もうそんな時代ではない。国が管理する意味がない」と言い切る。「メールアドレスのような世界中で一意のIDであれば、個人や企業で自由に決められるし覚えやすい。いずれそれだけでつながる世の中になる」(堀江氏)


セミナーではロンドン、ライブドア本社の3地点を結んでの通話デモが行われた 全世界のSkype登録者推移 通常の電話回線と通話できる「Skype Out」の通話料とソフトバンクBBのIP電話「BBフォン」との通話料比較

 しかし、国内ですでにIPインフラが整っている固定回線においても、Skypeのようなツールを利用しているのは、新しい技術に敏感な一部の個人ユーザーにとどまっており、企業ユーザーにおいても採用例は少ない。全世界におけるSkypeの登録ユーザー数はここ最近急増しており、現在は約3800万人にのぼるのに対し、日本人は約140万人だという。ブロードバンドの普及率からみると、その割合は小さい。

 では、どのようにすれば広まるのか。堀江氏は一例として、ECサイトのサポートセンターなどにSkypeを導入すれば「ユーザーはネットにつながっているのだから利用する人は必ずいる」との見解を示した。また、SkypeのIDをまとめた「タウンページのようなサイトがあれば利用者は増えるのではないか」と述べた。

 現在、SkypeはPCを起動し、ヘッドセットや電話に近い形のハンドセットなどを用意しなければ利用できないが、Skypeと互換性のあるIP端末が出てくれば通常の電話と同様に使うことができるという。さらに公衆無線LANのインフラが整い、そのような端末が生まれれば「携帯電話はいらなくなる」(堀江氏)。同社は公衆無線LAN事業にも着手しているが、こういった目的を視野に入れているようだ。

 堀江氏は最後に「Skypeは相手も使ってなければ意味がないので、みんなで使って(通話料を)安くしたい。ライブドアはポータルサイトとしてSkypeを広めていくし、ほかのポータルでも使ってほしい」と普及への意気込みを語った。


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URL
  株式会社ライブドア
  http://www.livedoor.com/
  ノバック、スカイプ対応アダプタやビデオカメラ用サーバーなどを出展(BroadBand Watch)
  http://bb.watch.impress.co.jp/cda/event/9622.html
  ライブドアが公衆無線LAN事業に参入、パワードコムとの提携も検討(INTERNET Watch)
  http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2005/04/22/7395.html

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( 朝夷 剛士 )
2005/05/19 19:13

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