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日本アバイア、日本のオフィス環境にフォーカスしたIPテレフォニーシステム


日本アバイアの取締役で、事業開発室長の加藤浩明氏
 日本アバイア株式会社は5月24日、日本向けにローカライズされた企業向けIP電話ソリューションを発表した。同ソリューションはSIPベースで提供され、IPアプリケーションサーバーの新版や、株式会社東芝と共同で開発したIPビジネスフォン「SP-1020A」などが含まれている。

 日本アバイアの母体である米Avayaは、ワールドワイドのIPテレフォニー市場で高いシェアを持っている企業だ。しかし、日本での知名度は低く、「ほとんど知られていないか、認知されているとしても、国内でも一定のシェアを持っている、コンタクトセンター向けの製品を提供する企業だと思われているくらい」(同社)の状況だという。

 日本アバイアの取締役で、事業開発室長の加藤浩明氏はこれを「世界と日本との(オフィス内での)電話の使い方に差があるため」と分析する。「諸外国では、通信は基本的に個人対個人。『他人の電話を取る』という考え方がないのに対し、日本では組織対組織の通信になる。これでは、日本のお客様に使って頂くのは難しい」(同室長)。

 つまり、米国などのワークスタイルを満たすために開発されたIP電話のソリューションでは、通常のPBXが備えている機能を満たすことができず、それ故に、国内では受け入れられなかったと主張しているのである。そこで日本アバイアでは、これまでのビジネスホンが持つ操作性と、日本特有のビジネスプロセスを妥協させることなく、国内のオフィスで利用できる製品を開発し、課題を解決しようとしていた。その結果生まれた製品が、東芝と共同で開発したSP-1020Aであり、日本独自の利用法に耐えうる改良を加えたIPアプリケーションサーバー「Avaya Communication Manager」の新版だという。


「日本向けに徹底してローカライズされた」IPビジネスホン

SP-1020A
 SP-1020Aは、「従来の日本のビジネスホンが当たり前に持っている『グループ代表機能(複数の内線端末をグルーピングし、グループ代表番号を付与する機能)』を、SIP対応IPビジネスホンで初めて備えた」(加藤室長)IP電話機。その他の機能もビジネスホンと比べて遜色(そんしょく)ないとのことで、発着信の履歴表示とそれを利用した発信、個人プロファイルの管理機能と連動して、PCから電話機の個人電話機を管理する機能などをはじめ、ランプの点灯・点滅の動作1つ取っても、日本向けにローカライズされているという。

 同社では、将来のIPアプリケーションとの連携を考え、SIPベースのソリューションとして提供することにしたとしており、これらの新機能は、120以上の機能を追加・改良した、Avaya Communication Managerの新版「同 3.0」とあわせて利用することによって実現できる。また、従来の日本アバイア製品が備える500以上の機能も利用できるほか、既存のAvaya製品との混在もサポートしているとのこと。

 SP-1020Aの参考価格は3万6000円。完全に日本向けの仕様になっているため、日本以外での販売は考慮していないという。

 なおAvayaのアジアパシフィック プレジデント、マーク・リー氏は「今回の製品提供は、日本市場に特化した製品への投資をしたということ。一般オフィスのテレフォニー市場を見据えた大きな一歩として発表したもので、当社の日本市場へのコミットだと理解して欲しい。今後も日本市場への投資は考えている」と述べ、日本市場に対する期待を表明していた。



URL
  日本アバイア株式会社
  http://www.avaya.co.jp/
  プレスリリース
  http://www.avaya.co.jp/corporate/pressroom/2005/05_05_24.shtml


( 石井 一志 )
2005/05/24 17:56

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