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ウォッチガード、シトリックスのSSL-VPNソフトを採用した中小規模向けアプライアンス


WatchGuard Firebox SSL Core VPN Gateway

代表取締役社長の中井健二氏
 ウォッチガード・テクノロジーズ株式会社は8月23日、シトリックス・システムズ(以下、シトリックス)のSSL-VPNソフトを組み込んだSSL-VPNアプライアンス「WatchGuard Firebox SSL Core VPN Gateway」(以下、Firebox SSL)を販売開始すると発表した。

 Firebox SSLは、同社の「Firebox Core」セキュリティアプライアンスの筐体をベースにしたSSL-VPNアプライアンス。ソフトウェアは、自社開発ではなくシトリックスのSecure Accessを採用し、「得意な分野を互いに担当」(代表取締役社長の中井健二氏)した点が特徴という。アプリケーションはWeb型だけでなく、サーバー/クライアント型なども含めたすべてに対応可能なほか、VoIPのようなリアルタイム性の強いトラフィックにも対応できるとしている。

 接続機能としては、一般的なSSL-VPNアクセスを実現するための「Secure Access clientモード」と、セキュリティ面に不安のあるキオスク端末から使用するための「KIOSKモード」を備えた。KIOSKモードとは、ICAをはじめとするリモートデスクトップの仕組みを用い、端末・アプライアンス間の通信を画面の遷移データのやりとりだけにとどめることによって、端末側にデータを残さないようにする方式。いわゆるターミナルサーバーの機能をFirebox SSLが提供することで実現されるという。

 また同アプライアンスでは、通信が一度途切れた後も、再度通信可能になった際に自動的に復旧する「Always-On」機能、端末のセキュリティ状況をチェックしてから、接続させても問題ないと判断したもののみ接続を許可する「SECURE ACCESS CLIENT」機能なども搭載する。

 価格は、アプライアンス本体と、同時接続5ユーザー(トンネル)分のライセンス、1年間のハードウェア保守、3カ月分のライブセキュリティサービス(ソフトウェア保守とセキュリティ情報提供を会わせたもの)からなる基本パッケージが、71万7000円(税別)。同時接続ユーザー数は、別途ライセンスを購入することで最大205まで拡張できる。

 なおFirebox SSLではシトリックスの技術を使ってはいるが、シトリックスでも自前のアプライアンス「Citrix Access Gateway」をすでに持っているため、うまくすみ分けを行わないと、お互いにぶつかってしまうことにもなりかねない。中井社長はこの点に関して、「シトリックスの(Presentation Serverなどの)既存ユーザーにはアプローチしない」としたほか、「Access Gatewayは比較的大規模な企業に向けたもの。Firebox SSLでは、SSL-VPNという優れた技術を使いたいと要望する中堅・中小企業に応えるための製品」と述べ、ターゲットを中小規模のシステムに絞り込んでいると説明した。



URL
  ウォッチガード・テクノロジーズ株式会社
  http://www.watchguard.co.jp/

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( 石井 一志 )
2005/08/23 15:59

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