Enterprise Watch
最新ニュース

パワードコム、「料金20%増しで予備回線がセット」のネットワーク接続サービス


デュアルアクセスサービスと従来のサービスとの違い。冗長化される範囲が広い

マーケティング商品統括本部 広域イーサネット商品企画部長 安達徹也氏

SPU(回線切替装置)。LANケーブルを抜くなど運用回線の接続が切れると自動的に予備回線に切り替わる
 株式会社パワードコムは8月23日、広域イーサネットサービスやIP-VPNサービスにおいて、ユーザーの事業所内までを冗長化した回線を提供する新サービス「デュアルアクセスサービス」を提供すると発表した。受付は9月8日より開始。

 また、デュアルアクセスサービスの適用時に、障害によるネットワークサービスの不通から回復するまでの時間を保証する「故障回復SLA(Service Level Agreement)」を「業界最短」(同社)という10分~に設定する。連続10分以上の不通時間が発生すると、料金の30%が返金される。

 デュアルアクセスサービスは、ユーザーの事業所内に設置するDSU(回線終端装置)までを冗長化し、通常の運用回線と同速度・同品質の予備回線を提供し、運用回線が不通になった場合に瞬時に予備回線に切り替えて、ネットワーク接続を継続するサービス。同社が提供する広域イーサネットサービス「Powered Ethernet」およびIP-VPNサービス「PENeX」が対象で、通常の20%増しの料金にて提供する。

 従来、企業向けネットワーク接続サービスの回線を冗長化する際、複数のキャリアと契約するか、予備回線にフレッツのようなベストエフォート型のブロードバンドサービスを利用するという「2つの選択肢しかなかった」(マーケティング商品統括本部 広域イーサネット商品企画部長 安達徹也氏)。

 しかし複数のキャリアを利用するとコストがかさみ、またベストエフォート型は品質や信頼性に不安が残る。これに対しデュアルアクセスサービスは、運用回線とまったく同じ速度や信頼性を持つ予備回線とがセットで提供される。

 運用回線と予備回線の切り替えは、ユーザーの事業所内に設置するSPU(回線切替装置)と呼ばれる機器で行われ、運用回線に何らかの障害が発生して不通になると瞬時に予備回線に切り替わり、サービスを継続する。これはレイヤー2での切り替えのため、ユーザー側の機器の設定変更やルーティングプロトコルとの整合性チェックなどは不要で、「運用負担ゼロ」(安達氏)であるという。なお、このSPUは同社が独自開発した機器だが、中身は単純な設計であるため、「壊れることはまずない」と安達氏は説明する。

 同社ではこのデュアルアクセスサービスを実現するネットワークをSENS(Super-stable Ethernet Network System:超安定ネットワークシステム)と名付け特許を申請しており、低価格と高品質・高信頼性を実現するネットワークサービスとして、ほかと差別化する狙いだ。




URL
  株式会社パワードコム
  http://www.poweredcom.net/
  プレスリリース
  http://www.poweredcom.net/news/05_news/050823.html


( 朝夷 剛士 )
2005/08/23 17:26

Enterprise Watch ホームページ
Copyright (c) 2005 Impress Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.